アフターコロナの日本「人は直接会うべき、非感染者が社会活動を」サントリー新浪社長
サントリーホールディングスの新浪剛史社長は5日、ロイターとのインタビューに応じ、新型コロナウイルス感染症によって人々は行動を変えることが求められているが、人と人が直接会うこと、そのためにイノベーションや工夫を続けていくことが重要だと述べた。写真は2015年10月、都内本社で撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)
サントリーホールディングスの新浪剛史社長は5日、ロイターとのインタビューに応じ、新型コロナウイルス感染症によって人々は行動を変えることが求められているが、人と人が直接会うこと、そのためにイノベーションや工夫を続けていくことが重要だと述べた。そのひとつとして、PCR検査や抗原検査などを簡易に行える体制を作り、非感染者が社会活動を行うことも考えるべきだと指摘した。
人と人が会う社会、諦めてはいけない
新浪社長は、新型コロナ後の社会においても「人間と人間が膝突き合わせて、侃々諤々(かんかんがくがく)、唾を飛ばしても大丈夫な社会をイノベーションで作ることを諦めてはいけない」とし「人間は集まってわいわいやりたいもの。我慢はするが、それを求めている。ワクチンか、治療薬か、もしかしたら違う方法かもしれないが、イノベーションでそれができるようになる」と述べた。
緊急事態宣言が解除され、飲食店の営業自粛要請も緩和されてきている。ただ、顧客が安心して飲食店を利用できる状況にはほど遠い。
新浪社長は「PCR検査・抗原検査を簡易にできる体制をしっかりと作り、経済活動が非感染者によってなされて行けば良い。100%を求めれば経済活動がマヒしてしまう。日常に検査が組み込まれ、非感染者による経済活動をより活性化すれば、安心によって人々は相当動くと思う」と指摘。感染者ではないという証明を出すことも「やるべきだと思う」とし、「安全確保は国の役割。皆が心穏やかに活動できるのは民主主義の原点」と述べた。
新型コロナで在宅が奨励され、日常生活の中で、オンライン飲み会やオンラインミーティングが一気に広がった。新浪社長は「バーチャルミーティングでいいやと思ってはいけない。バーチャルはひとつの手段。やっぱり、人は会わなければならな」と強調。一方で、せっかく省いた無駄を元に戻してはならず「ハイブリッドリアリティ」で、両方を上手く活用する社会にするべきだとした。