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個人のFX取引が活況、テレワークが後押し 人気はメキシコペソ

2020年5月23日(土)15時21分

金先協会によると、会員各社の4月入金額は合計で2152億円。月間で歴代7位の巨額資金が投じられた。過去最大となった3月の4602億円と比べても、余韻が十分に残る水準だ。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジストの植野大作氏は「最近の顧客増でFX取引高はしばらく増加基調を維持するだろう。個人の活発な売買は潤沢な流動性を供給し、平時の値動きを抑制する一方、大手投資家が持ち込む巨額売買の影響をも薄めている」と指摘。個人は円相場の極端な値動きを抑制する「ビルトイン・スタビライザー」のような役割を果たしていると話す。

今や昔のトルコリラ人気

物色先にも変化が表れている。取引量が多く注目度も多いドル/円が一番人気であることに変わりはないが、対新興国通貨ではここ数年人気を集めていたトルコリラが次第に後退、代わってメキシコペソの取引が増えてきた。

人気のポイントは政策金利の高さ。メキシコ中央銀行は今月14日に政策金利を0.5%引き下げたが、その水準は5.5%と依然高い。1ペソ=4円前後という相場水準の低さも、投資金額を低く抑えられる利点となる。

一方、トルコでは、高インフレと通貨安防衛のため一時24%だった政策金利は、エルドアン大統領がチェティンカヤ中銀総裁(当時)を更迭して以降、1年も経たないうちに8.25%まで急低下した。経済はリセッション(景気後退)入りがほぼ確実で、リラは現在も過去最安値圏で底ばいだ。

トルコ政府は最近、日英中などに通貨スワップ協定を要請した。市場では、外貨準備が枯渇し国際通貨基金(IMF)へ支援を要請する可能性をいぶかる声も出ている。

基太村真司(編集:青山敦子)

[東京 ロイター]


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