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コロナショックホンダ、今期業績予想は未定 四輪・二輪の販売計画公表も見送り
ホンダは、2021年3月期(今期)の連結業績予想(国際会計基準)・配当予想を未定とすると発表した。写真はジュネーブで2018年3月撮影(2020年 ロイター/Denis Balibouse)
ホンダは12日、2021年3月期(今期)の連結業績予想(国際会計基準)・配当予想を未定とすると発表した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により経済活動が停滞する中、影響度合いを合理的に算定することが困難なため。リフィニティブがまとめたアナリスト18人の当期利益予想の平均は4011億円となっている。
オンライン会見した八郷隆弘社長は、新型コロナの影響で「(ホンダは)厳しい環境下にある」と述べ、今後同社の事業環境は大きく変化していくだろうとの認識を示した。
同席した竹内弘平専務は、「売上台数がどのくらいになるのか、顧客がどうディーラーに戻るか」など不透明な要素が多いため、今期業績予想を未定としたと説明。今期の四輪・二輪販売計画の公表も見送った。
ホンダの世界工場の稼働状況をみると、現時点で約7割の四輪工場、約5割の二輪工場が稼働している。中国では、広汽本田汽車、東風本田汽車ともに稼働再開済み。同国の4月の販売実績は、前年同月比約90%と好調に推移している。一方、北米では同44.2%にとどまった。
新型コロナ感染拡大を受け、部品調達先の分散化や生産拠点の一部国内回帰の必要性が高まっている。八郷氏は、一カ所の地域から拠点を移すのは時間がかかるため一挙に対応するのは難しいと説明。一方で、必要に応じて国内に拠点を戻す可能性も示唆した。
新型コロナが自動車や交通手段に与える変化については、人々が公共交通機関などでの密集に対する不安を感じたことから「パーソナルで手に入りやすく、使いやすいモビリティが伸びてくるだろう」(八郷氏)との見方を示した。世界中の人々の価値観や生活が変わる可能性があるが、「新たな世界に向けて準備を進めていきたい」(同氏)と意気込みを見せた。
同時に発表した20年3月期の連結決算では、当期利益は前の年に比べて25.3%減の4557億円だった。20年1―3月期の当期損益は、295億円の赤字となった。新型コロナ感染拡大で需要低迷が響いた。期末配当は1株当たり28円だった。
*内容を追加しました。
(新田裕貴 編集:高木匠)
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