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コロナショックトヨタ、21年3月期の営業利益予想は79.5%減の5000億円 当期損益は算定困難
トヨタ自動車は、2021年3月期(今期)の連結業績予想(国際会計基準)について営業利益が前年比79.5%減の5000億円の見通しと発表した。写真はジュネーブで昨年3月撮影(2020年 ロイター/Pierre Albouy)
トヨタ自動車は12日、2021年3月期(今期)の連結業績予想(国際会計基準)について、営業利益は前期比79.5%減の5000億円となる見通しを発表した。純損益は合理的な算定が困難だとして未定とした。売上高に相当する営業収益は19.8%減の24兆円とした。
リフィニティブがまとめたアナリスト19人の営業利益予想の平均は1兆8540億円となっている。
豊田章男社長はオンライン会見で、「コロナ・ショックはリーマン・ショックよりもインパクトがはるかに大きいと思う」と指摘。「リーマンショック時よりも販売台数は落ち込むが、なんとか黒字(予想)を確保できている」と述べ、企業体質の改善に手応えを示した。新型コロナ終息後に経済復興のけん引役として「準備が整った」とも語り、「新しいトヨタに生まれ変われるスタートポイントに立った決算」と総括した。
多くの企業が今期業績予想の公表を見送る中、トヨタは今期業績予想や販売計画、需要動向など一部を公表した。その理由について豊田社長は、自動車産業は経済への波及効果、他産業への影響があるため、トヨタが1つの基準を示すことにより「いろんな方の生活を取り戻す一助になるのではないか。裾野の広い関係各社が何かしらの計画・準備ができるのではないか」と話した。
今期の世界グループ小売り総販売計画は前期比15%減の890万台。 地域別の内訳は見送った。世界の自動車市場は20年4月─6月を底に徐々に回復し、20年末から21年前半にかけて前年並みに戻る前提としている。
今期の前提為替レートは1ドル=105円(前期は109円)、1ユーロ=115円(同121円)。
4月には1兆2500億円の借り入れを実行し、事業を継続するため、取引先が資金繰りに窮した場合に備えた。小林耕士執行役員は「手元資金はリーマン・ショック時は3兆円しかなく、今は8兆円くらいあるが、番頭としては少ないと思う。米アップルは20兆円以上ある」と話した。
20年1―3月期純利益は86%減
同時に発表した20年3月期(前期)の連結決算(米国会計基準)では、純利益が前の年に比べて10.3%増の2兆0761億円だった。20年1―3月期の純利益は前年同期比86%減の631億円だった。新型コロナ感染拡大による需要低迷が響いた。
前期の売上高は1%減の29兆9299億円、営業利益が1%減の2兆4428億円だった。コロナの影響で売上高は3800億円、営業利益は1600億円減少した。
トヨタは前期まで米国会計基準を採用しており、今期から国際会計基準に変更する。
*内容を更新しました。
(白木真紀 内田慎一 編集:田中志保 高木匠)
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