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国内生保、国債投資を敬遠 「ポストコロナ」にらみ運用を多様化へ

2020年4月27日(月)12時44分

高まるリスク管理の重要性

こうした中、各社とも国債以外の投資対象を模索している。社債などいわゆるクレジット物のほか、政府系機関債(ジニーメイなど)や劣後債、事業に投資するプロジェクト・ファイナンスなど、多岐多様に渡る。

しかし、これらは利回りが高い分、リスクも大きい。新型コロナの影響で、事業の存続に不安感が高まる企業が増える中、社債のスプレッド(国債の利回りとの差)は3月に大きく広がった。リターンを求めるには、リスクの管理がこれまで以上に重要になってくる。

このため「専門部隊」を設立する生保も出てきた。第一生命では、オルタナティブ投資部内に「リアルアセットファンド課」を新設。インフラや国内外不動産など実物資産ファンドへの投資を推進する。AI(人工知能)を使った運用に乗り出す生保もある。

株式投資に積極的な姿勢を見せる生保も増えてきている。かんぽ生命は、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの局面は過去を踏まえると長期的には継続しないとの見方から、一定程度の割安な領域に入った場合は残高を積み増していく方針だ。

国内生保10社の今年度の日経平均の予想は、一番下は1万3500円だが、一番上は2万4000円。コロナ次第だが、感染拡大抑制にめどが立ては、株価は年度末にかけて緩やかながらも回復に向かうとの予想が多い。

ただ、株式は財務の健全性を測るソルベンシーマージン比率を計算するうえでのリスク係数が高い。価格下落の危険もある。そう大きく積み増すわけにもいかない。

コロナが経済に与えたダメージを考えるなら、低金利環境はコロナ後も長く続く可能性が大きい。生保各社は今年度も悩みながらの運用となりそうだ。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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