韓国、キャッシュレス完了した国が進める「コインレス社会」
新型コロナウイルスもキャッシュレス決済後押し?
しかし、冒頭でも述べたように、もともと韓国はキャッシュレス化が早く広まった国である。何事も合理的だと分ると、すぐに取り入れて定着するのが早いのも国民性の一つだ。この硬貨の無い社会(COINLESS SOCIETY)も普及すれば、硬貨を持ち歩くことを不便と感じる層と需要と供給がうまくマッチしてすぐに一般化するだろう。
スマートフォンの普及率が高い韓国では、買い物をオンラインで行う人も多い。元々多かったのだが、それに輪をかけて今年は新型コロナウィルスの感染が拡大し、お金を触りたくない。人と会わないように極力外出をしない、などの影響もあってか、その需要はアップしているという。
今月11日韓国主要カード会社8社(新韓・サムソン・KB国民・ヒョンダイ・BC・ロッテ・ハナ・ウリ)発表した結果によると、1月28日から2月3日まで旧正月前後のキャッシュレス・オンライン個人利用額は2兆5千87億ウォン(2587億円)と、昨年の旧正月前後1兆7千367億ウォン(1736億7千万円)と比べ、44.5%もアップした。このような望まない地球規模の災害が、結果的にキャッシュレスを進める形となっている。
3年前の2017年に実施された硬貨をなくそう大作戦は、少し時期尚早だったかもしれない。しかし、電子マネー市場が成長し、定着している今の韓国なら十分実現化できるだろう。カギとなるのは、一体どれだけの店舗が加入し、老若男女問題なくスムーズに利用できるかという部分だ。それさえクリアすれば、韓国で硬貨が姿を消す日は近いと言える。