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南米ベネズエラ政府、契約業者に人民元で支払い提案 インフレと経済制裁で自国通貨やドル使えず
ベネズエラ政府と国営石油会社PDVSAは、民間部門の契約業者に対して中国人民元での支払いを提案している。写真はコロンビアとの国境近くの両替商が並べたボリバル紙幣の札束。REUTERS/Girish Gupta
ベネズエラ政府と国営石油会社PDVSAは、民間部門の契約業者に対して中国人民元での支払いを提案している。5人の関係者がロイターに明らかにした。
関係筋によると、少なくとも4社に打診し、企業は検討中という。
これまで政府機関は民間の契約業者に対して、同国の通貨ボリバルや米ドルで支払いを行っていた。ただ、国内のハイパーインフレに加えて、ベネズエラの公共部門との取引を米企業に禁じた米経済制裁の影響で、従来の方法での支払いが困難になっている。
これまでにも政府やPDVSAは、一部の民間企業に対して、原油や金の売却で得たユーロで支払いを行っている。
人民元での支払いにより政府は、米国の金融システムを通さず中国にある資金を活用することができる。ただ、中国での銀行口座開設の手続きは複雑だと2人の関係者は指摘する。
ベネズエラと中国は10年以上前、原油と引き換えに中国が約500億ドルの融資をベネズエラに提供する取り決めを結んでいる。そのため、PDVSAとベネズエラ中央銀行は、中国に金融機関の口座を持っている。
2人のベネズエラ中銀関係者によると、中銀は中国人民銀行の口座に少なくとも人民元で7億ドル相当を持っている。
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