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通商交渉日米、貿易協定に正式署名 米農産品関税はTPP水準へ引き下げ
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日米両政府は米ホワイトハウスで貿易協定に正式署名した。写真は署名後、トランプ大統領と握手する日本の杉山晋輔駐米大使。10月7日、ワシントンで撮影(2019年 ロイター/Kevin Lamarque)
日米両政府は7日、米ホワイトハウスで貿易協定に正式署名した。新たな協定では米国産牛肉や豚肉などの関税が、日本を含む11カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)の水準まで段階的に引き下げられる。トランプ米大統領は、米国の農家と畜産業者の状況は一変すると評価した。
米通商代表部(USTR)当局者によると、アーモンドやブルーベリーなど年間約13億ドルの食品・農産品の関税が直ちに撤廃される。
これに加え、牛肉や豚肉、鶏肉、ワイン、チーズなど30億ドル相当の製品の関税がTPP水準に段階的に引き下げられるという。
また協定では、米国産小麦について、関税を課さない輸入枠を6年間で15万トンまで引き上げるほか、日本が輸入する際に徴収している差益(マークアップ)を45%削減し、TPPと同条件とする。
一方、コメはTPPで米国に認められていた7万トンの無関税枠は設けない。
日本からの米国への自動車・同部品の輸出は2018年に560億ドルと、全体のかなりの部分を占めていたが、取り扱いは今後の話し合いに持ち越された。
日米両政府はデジタル貿易に関する協定にも正式署名した。プログラムの設計図であるソースコードやアルゴリズムについて、強制的な開示を禁止する。新たな北米自由貿易協定(NAFTA)の意味合いを持つ米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)とも足並みがそろっている。
※内容を追加しました。
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