最新記事
世界経済世界の富裕層、資産の現金保有比率アップ 貿易戦争やブレグジットを警戒
スイスの銀行大手UBSとキャンプデン・ウェルス・リサーチの調査によると、ファミリーオフィス(資産家一族の資産管理を目的に設立された組織)は、米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱、ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭などを警戒し、今年に入り現金の保有比率を高めた。写真はスイスのチューリッヒにあるUBS。2018年10月25日撮影(2019年 ロイター/Arnd Wiegmann)
スイスの銀行大手UBSとキャンプデン・ウェルス・リサーチの調査によると、ファミリーオフィス(資産家一族の資産管理を目的に設立された組織)は、米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱、ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭などを警戒し、今年に入り現金の保有比率を高めた。
調査は、360のファミリーオフィスを対象に実施。年初から現金比率を高めたファミリーオフィスは42%に達した。現金の割合は7.6%で、前年から70ベーシスポイント(bp)上昇した。
来年までの景気後退(リセッション)入りを見込む向きは55%だった。EU離脱が英国にマイナスの影響を及ぼすとの回答は63%。ポピュリズム(大衆迎合主義)の勢いが来年まで衰えないとの見方は、84%に達した。
UBSのグローバル・ファミリオー・オフィス・グループの代表、サラ・フェラーリ氏は、ファミリーオフィスは地政学的な問題について、暗い見通しを持っていると説明した。
気候変動が世界にとって最も深刻な問題だとの回答は、53%だった。
フェラーリ氏は、ファミリーオフィスの見方が、年金基金や保険会社などの機関投資家の見方と必ずしも異なっているわけではないと話す。
しかし、資産運用で機関投資家よりも柔軟度が高く、特定のベンチマーク指数に縛られることが少ないと指摘し、非流動資産に長期投資することが多いと説明した。
※10月1日号(9月25日発売)は、「サバイバル日本戦略」特集。トランプ、プーチン、習近平、文在寅、金正恩......。世界は悪意と謀略だらけ。「カモネギ」日本が、仁義なき国際社会を生き抜くために知っておくべき7つのトリセツを提案する国際情勢特集です。河東哲夫(外交アナリスト)、シーラ・スミス(米外交問題評議会・日本研究員)、阿南友亮(東北大学法学研究科教授)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)らが寄稿。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら