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アルゼンチンが債務返済延期を表明 アナリスト「地球上で最もデフォルトの確率が高い国」

2019年9月2日(月)17時23分

CDSのプレミアムは11日の大統領選予備選から2000ベーシスポイント(bp)超も上昇し、1年以内に50%前後の確率でデフォルトが起こることを織り込む水準となった。5年以内ではこの確率が80%超に上がる。

この間、ペソはドルに対して約22%下落し、目先の債務返済だけでなく同国の債務全般の持続可能性に重圧をもたらしている。

ドイツ銀の計算では、通貨安を受け、アルゼンチンの債務はグロスで約3250億ドルに増え、国内総生産(GDP)の103.5%相当に達した。

ジアン氏は「すべての債務の返済期限が延長されても、特に対外債務について債務総量を減らすヘアカットを実施しなければ、ソルベンシーの問題は解決できない」と言う。

ドイツ銀の計算によると、すべてのドルおよびユーロ建て債券が、市場実勢に基づきそれぞれ表面利率6.5%と5%の15年物ビュレット(一括返済)債券に転換され、「エグジット・イールド」がそれぞれ12%と10%になるとの想定に基づき、市場は現在30%のヘアカット比率を織り込んでいる。

エグジット・イールドとは、債務再編後のソブリン債の価値についての市場予想だ。

BNPパリバは今月、アルゼンチン債の保有者が40%のヘアカットを迫られると予想した。ただシナリオによってはこの比率が38.6%から62.7%の範囲に及ぶとしている。

JPモルガンのディエゴ・ペレイラ氏は、アルゼンチン政府の戦略には数多くのリスクが伴うと指摘。顧客向けノートで、返済期限延長によって財務省は一息付けるとしても、FX預金の引き出しや「ドル化」に伴い「外貨準備に圧力がかかり続けるかもしれない」と予想した。

ペレイラ氏は、議会が国内債の返済期限延長問題を10月の大統領選後に持ち越す可能性もあるため、国内法に基づく債券の保有者の反応が把握しづらく、IMFの反応も慎重だと指摘した。

アシュモア・グループの調査責任者、ジャン・デーン氏はアルゼンチンについて「地球上で最もおそまつな運営がなされ、最も予見しづらく、めちゃくちゃな国の1つだ。地球上でこれほどデフォルトを起こす確率が高い国は他にない」と話した。

(Karin Strohecker記者、Tom Arnold記者)

[ロンドン ロイター]


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