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VWとフォードの提携強化 自動運転業界の勢力に変化
米フォード・モーターと独フォルクスワーゲン(VW)が計画している世界的な提携拡大にはフォードが出資する米自動運転ベンチャー、アルゴAIについて協力関係を結ぶことが含まれる見通しで、今後は自動運転車業界の勢力図が変わる可能性もある。写真は2月21日撮影(2019年 ロイター/Amanda Perobelli)
米フォード・モーターと独フォルクスワーゲン(VW)が計画している世界的な提携拡大にはフォードが出資する米自動運転ベンチャー、アルゴAIについて協力関係を結ぶことが含まれる見通しで、今後は自動運転車業界の勢力図が変わる可能性もある。
フォードとVWは11日、両社のトップが12日にニューヨークで会見し、提携関係の拡大について説明すると発表した。
アルゴは2017年からフォードの自動運転車開発をけん引しており、フォードとVWが連合してアルゴと協力すれば、双方の技術面や資金面の負担軽減に寄与しそうだ。また、フォードとVWは2021年に自動運転車の商用化を開始する計画だが、アルゴとの提携でその開始時期も早まるだろう。
自動運転車分野はアルファベット傘下のウェイモが自動運転バンを提供し、ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のクルーズ・オートメーションが数十億ドルの資金を集めているのに比べ、アルゴはこれまで影が薄かった。
しかしVWは昨年の自動車販売台数が世界首位で、アルゴは十分な規模と資源を持つ企業と提携することになる。
フォードとVWのアルゴを含めた提携強化は、自動運転車分野での他の提携の構図や関連技術を持つ新興企業の評価額にも影響しそうだ。
アルゴのこれまでの評価額は20億─40億ドル。VWが提携に加わることでこの金額がどう変わるかははっきりしない。
クルーズ・オートメーションはソフトバンクやホンダ、T・ロウ・プライスから60億ドル強の出資を受けた後、今年に入って評価額が190億ドルに膨らんだ。
米配車大手ウーバー・テクノロジーズ傘下のアドバンスト・テクノロジーズ・グループ(ATG)は、ソフトバンク、トヨタ自動車、デンソーから10億ドルの出資を受け、評価額が70億ドルを超えた。
ただ、業界トップと目されているウェイモの評価額はクルーズとATGを大幅に上回っている。モルガン・スタンレーの試算は最大1750億ドル、ジェフリーズの試算は最大2500億ドルだ。
これらの計算はウェイモが立ち上げたばかりの「自動運転タクシー」事業、配達や車内の電子商取引関連サービスなどから見込まれる将来の売上高などを織り込んでいる。
(Paul Lienert記者)