サムスンのイ・ジェヨン副会長も緊急来日 日韓企業、半導体材料規制の「迂回」を模索
韓国の半導体メーカーは3品目について大半を日本メーカーに依存しているが、フッ化水素は一部を中国から購入している。専門家によると、3品目の一部は在庫が最大4カ月分だという。
日本の化学材料メーカーのうちレジストを供給しているJSRは、広報担当者がベルギー工場から一部を供給できるとの見方を示した。
東京応化工業の広報担当者によると、同社は韓国に工場を持ち、「当面は」韓国の顧客向けにレジストを供給できる。しかし韓国工場はレジスト製造原料の一部を日本から輸入しなければならず、手元の在庫が尽きれば供給は減る見通しだ。
ステラケミファは韓国に合弁会社を持ち、韓国の顧客向けのフッ化水素出荷が可能。ただ、顧客からの需要にどの程度応じられるかについてはコメントを避けた。同社の推計によると高純度フッ化水素市場におけるシェアは最大70%。
日本メディアの報道によると、日本メーカーはフッ化ポリイミド市場でのシェアが90%程度。政府統計によると、日本はレジストでも90%程度のシェアを握っている。
韓国の統計では、韓国の3品目の日本からの輸入は今年1─5月が1億4400万ドル。
今回の規制強化では、レジストは「極端紫外線(EUV)リソグラフィ」と呼ばれる高度な半導体製造技術に向けた製品のみが対象になるが、アナリストによると、この技術を駆使してライバルの台湾積体電路製造(TSMC)に追い付こうとしているサムスンにとって規制強化は痛手となる。
韓国は3品目について、国内産業に投資して自前での開発を進める計画だが、すぐに代替的な供給元を得るのは難しい。
野村のアナリスト、岡嵜茂樹氏は「サプライチェーンの川上の材料に関していえば、材料選び、調合、温度管理など、細かいところの組み合わせ。ブラックボックス的なところが大きい」と語った。
(Ju-min Park記者、Makiko Yamazaki記者)
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