サムスンのイ・ジェヨン副会長も緊急来日 日韓企業、半導体材料規制の「迂回」を模索
日本政府による半導体製造材料の韓国向け輸出規制強化を受けて、韓国の半導体メーカーと日本の化学材料メーカーが対応に奔走している。写真は韓国の港湾都市平沢 の半導体工場で2008年3月撮影(2019年 ロイター/Lee Jae-Won)
日本政府による半導体製造材料の韓国向け輸出規制強化を受けて、韓国の半導体メーカーと日本の化学材料メーカーが対応に奔走している。ただ、規制対象の化学材料は日本メーカーのシェアが極めて高く、製品の確保は容易ではない。
日本政府は先週、半導体製造に使われる「レジスト」、「フッ化水素」、「フッ化ポリイミド」の3品目について、韓国に輸出する企業に与えていた優遇的な許可を取りやめ、個別の取引ごとに審査して輸出の可否を判断すると発表した。審査には90日程度かかる。
韓国の半導体業界団体の幹部によると、サムスン電子とSKハイニックスは規制対象の3品目について台湾や中国などの国からの購入を増やそうとしており、十分な在庫を持つ日本以外の国の企業にも購入を打診している。
SK証券のアナリストのKim Young-woo氏によると、韓国の半導体メーカーは在庫を確保するため、既に日本以外のサプライヤーが経営する工場や合弁会社にセールス部隊を派遣したという。
サムスン電子は日本の規制強化による影響を最小限に食い止めるためさまざまな対策を検討していると説明。同社の幹部によると、副会長の李在鎔氏が7日に東京を訪れた。
SKハイニックスはコメントを避けた。
日本の輸出審査に実際どの程度の期間を要するのか、規制強化が輸出禁止に切り替わるのかなどは依然不透明だが、韓国の半導体メーカーは今回の問題が全面的な危機に発展するのを危惧している。
韓国半導体メーカーの関係者は「規制対象の3品目は、ほかでは見つけることも、すぐに買うこともできない」と述べた。「日本以外で代替的な製品が見つかっても、高い歩留りを上げるのに十分な品質なのかを確認するためにテストする必要がある」という。
また3品目のうちフッ化水素は非常に毒性が高く、レジストは劣化が速いため、いずれも在庫の積み増しは実際的な選択肢ではない。