データを活用して、医薬品産業の生産性向上に貢献する
エンサイス
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エンサイス代表取締役社長・木村仁氏
2025年の日本は、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上というかつてない超高齢化社会を迎え、医療費など社会保障費の急増が懸念されている。そんな時代を見据え、医薬品流通の効率化とリスク管理を徹底し、持続可能な医療社会に貢献するべく、半世紀以上に渡って日本の健康を支え続けてきた医薬品卸が中心となって設立されたのがエンサイス株式会社だ。
今回、エンサイスの代表取締役社長・木村仁氏から同社の概要と将来の事業展望について、また主要クライアントの1社である武田薬品工業株式会社のジャパンファーマビジネスユニット カスタマーインサイト部長・藤垣元明氏からエンサイスのサービスを利用して実感することや今後期待することについて、それぞれうかがった。
東日本大震災で強まった設立の想い
──まず、エンサイスの成り立ちとこれまでの沿革を教えていただけますか。
木村仁氏(以下、木村) 日本の医療業界において、医療機関・調剤薬局に医薬品を届ける医薬品卸企業とそこに所属するマーケティング・スペシャリスト(MS)たちの存在は欠かせません。そしてMSの訪問活動からは、「医薬品に関する流通情報」が大量に生まれています。どの医薬品がどこに運ばれているのか、その逆に今どこで医薬品が不足しているのか──こうした情報は「人の健康や命に繋がる重要な情報」であり、医療に関係している人々にとって大変貴重なデータです。「これらの情報を第三者でなく、情報元である医薬品卸企業自らが集約して世の中に提供することが理にかなっており、かつ効率的なはずである。何より、医療業界を支えているMSに報いること、スポットライトを当てることができるはずだ」と考え、様々な医薬品卸企業を回り、関係者に考えを伝えました。
「この前例のないチャレンジが実現できそうだ」という感触が得られ始めたタイミングで2011年3月11日の東日本大震災が起こりました。あの不安と混乱の入り混じった過酷な状況の中、MSの人たちは医薬品を必要としている医療機関・患者のもとになんとかして届けようと必死になっていたという事実があるにもかかわらず、MSの存在は一般には忘れられがちです。「これだけの役割を果たしている医薬品卸業界とMSがもっと認知・評価され、その働きが報われる世の中にしていきたい」という想いがいっそう強くなり、オフィスにこもって事業計画を立案し、各医薬品卸を回りました。
その1年8か月後の2012年11月、医薬品卸企業19社が中心となりエンサイスが設立されました。当初のメンバーは10人弱でしたが、それから6年が経過し、おかげさまで事業は順調に成長してきました。今は更なる事業拡大を図ると同時に、新規事業へのチャレンジも行っています。
──エンサイスの企業理念をご説明いただけますか。
木村 私たちは、「情報を通じた持続可能な医療社会への貢献」を企業理念に掲げています。先ほどお話ししたように、医薬品卸企業が持つ情報を集約、分析し、主に製薬企業へ提供しており、日本全国の医療機関・調剤薬局に必要な医薬品や情報が運ばれていくことに貢献しています。また、このように国民が安心して医療を受けることのできる社会が次世代にわたって維持されるために、医薬品産業の生産性向上にも寄与できればと考えております。
──事業内容は「医薬品に関連する情報の収集及び販売」「システムの開発及び販売」「その他医療関連サービス開発及び販売」とのことですが、主要なサービスについて具体的にご紹介いただけますか。
木村 まず「医薬品に関連する情報の収集及び販売」については、医薬品卸企業とMSの日頃の活動を通して得られる医薬品の流通情報を集約、分析、統計的な処理を施して、主に製薬企業に提供しております。
次の「システムの開発及び販売」は、当社のデータのみならず、他のデータも組み合わせて活用できるビジネス・インテリジェンス(BI)などのツールの開発と導入により、製薬企業が効率的かつ効果的にデータを閲覧・活用できるよう支援する事業です。
最後の「その他医療関連サービス開発及び販売」は、医薬品卸企業が集まった会社だからこそ実現できる新たなビジネスやサービスを提供する事業です。