モス「海老天ぷらバーガー」は非常識の塊? ガラパゴス的進化、次の一手は?
天丼にせよエビフライにせよ、ぴんとまっすぐ天を向いた海老がビジュアルのポイントだ。海老はそのまま熱を加えると背がギュッと丸まってしまうので、筋切りを行って繊維を切って大きく見せるのが普通。ただ、海老の身にダメージを与え、特有の弾力を損ねてしまうというデメリットもある。ライスバーガーに挟むのなら、丸まっても問題ないし、むしろ丸いフォルムのバーガーに収まりやすい。ということで、筋切りせず、海老本来の、弾力のある食感を重視した。
こだわりの2つ目は、一つひとつ手で「花を咲かせるように」揚げていること。天つゆ風のタレに漬けた後もサクサクとした食感が残るように、とのことだ。また、焼津産かつおぶし粉と日高昆布をベースにした天つゆ風タレにはゆずのさっぱりとした風味を加えた。
「国産のゆずの皮パウダーにより苦みを、果汁によりフレッシュ感と酸味を、ゆずペーストにより"ゆずらしさ、ゆず感"を出しています」(荒木氏)
ランチとして成立しそうな「ボリューム」
このように"手塩にかけた"感のある新モスライスバーガーをそれぞれ、試食してみた。
ライスバーガーというと、小ぶりで厚みもそれほどなく、手のひらに収まるイメージだった。しかし、今回の2商品は具が2段に重ねてあるだけに、ボリューム感があり、持ち重りがする。モスでいえばチーズバーガーぐらいの厚みがあり、ほうれい線が深く刻まれるほど口を全開にしても、ライスと具を一度に口内に導くのは容易ではない。
そして、ボリューム感という意味では、丸っこい海老がダブルで挟まっている「海老の天ぷら」のほうがより勝っているようだ。さすが、筋繊維がダメージを受けていないだけに弾力が強く、跳ね返ってくるようなかみ応えが感じられる。海老のうま味と、天つゆ風タレの味わいもしっかりとしている。
「海老とかきあげ」は、軽い食感のかきあげによって、より優しくヘルシーみの感じられる味わいになっている。ライスと海老の味わいを、かきあげがうまくまとめている印象だ。
どちらも揚げ物だが、カラッとしているので、食後感はそれほど重くはない。ほっそりした同社の女性も「2ついっぺんでも、意外に食べられてしまいます」(広報担当の角田泰子氏)とのことだ。
しかし、従来のライスバーガーの「小腹がすいたときの軽食」というイメージではなく、しっかりランチとして成立しそうだ。というのも、実はモスライスバーガーのライスプレート、近年ボリュームアップをしているのだそうだ。