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ワークプレイス

ラスベガス旧市街のザッポス本社、入居時はまっさらだった

2017年9月29日(金)14時55分
WORKSIGHT

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受付スペース。ホスピタリティの高い応対。ひっきりなしにやってくるオフィスツアー客の期待感をあおる。

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市庁舎だった時代には議会場として使われていたホール。現在は改修中だが、ダウンタウン地区には大きなカンファレンスや講演に使える会場がないため、これをコミュニティにも開放する計画を進めている。

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エントランス付近に飾られた靴のアート。訪問者を驚かせる。

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受付横の来賓スペース。

ともに成長していくため、街と会社のシナジーを目指す

しかしザッポスらしく「楽しくて、ちょっと変わっている」のは、それらの多くがオフィスキャンパス外にあり、ダウンタウン地区のコミュニティに対し開かれていること。現在は、旧市庁舎の議会場を改修し、「コンサート会場のように」作り変えているところだ。

「ダウンタウン地区にはこれまで、大きなカンファレンスや講演ができる会場がありませんでした。コミュニティの人たちにもTED Talksのようなイベントやプレゼンテーションなどに使ってもらいたい」とは、オペレーション・ディレクターのロブ・ティモシュク氏。

ザッポスには会社と街がともに成長していくビジョンがある。ローカル人材を多く雇用しているのも、街と会社のシナジーだ。ザッポスがダウンタウンに移転してから社員は1460人に増加。いっぽう街にはレストランが増え、スーパー、クリーニング、バーなどが増えた。さらにラスベガス市とパートナーシップを結び、街づくりに関する定期的なミーティングに出席している。

「今、私のチームが取り組んでいるのは、ダウンタウンの自転車シェアリングのプログラムです。ミーティングには他の企業も参加していますが、できればザッポスがコミュニティの成功の一翼を担いたい」(ベッカー氏)

ラスベガス市の産業はやはりカジノが中心。多くの住民がラスベガス・ストリップと呼ばれるエリアで働いている。その中でザッポスは異質。しかし、だからこそ街を多様にする。街は「楽しくて、ちょっと変わっている」彼らを歓迎しているのだ。

創業:1999年
売上高:非公表
純利益:非公表
従業員数:1460人(2016)
http://www.zappos.com

コンサルティング(ワークスタイル):非公開
インテリア設計:非公開
建築設計:非公開

WORKSIGHT 10(2016.10)より

text: Yusuke Higashi
photo: Hirotaka Hashimoto

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建物中央にある中庭を、回廊が取り囲む。このエリアは一般に解放されており、地域住人が出入りしている。

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敷地内にはちょっとした公園もあり、市民や社員がふらっと立ち寄る憩いの場としても機能している。

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社内通貨「ザラー」。評価の証として社員同士で与えあうことがある。換金も可能。

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(左)長年勤続した社員を表彰するプレートと、活躍した社員にプレゼントされるマント。(右)左/オペレーション・ディレクターのロブ・ティモシュク。中/エクスペリエンス&コミュニティチーム・マネジャー 通称:カルチャー・コマンドーのローレン・ベッカー。右/サステナビリティ・ディレクターのブラッド・トム

※当記事はWORKSIGHTの提供記事です
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