最新記事

インタビュー

部門ごとの働きやすさを追求、社員を「全員主役」にするオフィス

[荒木隆司]株式会社ドワンゴ 代表取締役社長

2016年1月29日(金)11時27分
WORKSIGHT

※インタビュー前編:「クリエイティブ51、ビジネス49」をバランスさせる経営 はこちら

全フロアを貫く中階段でコミュニケーション機会を増やす

 2012年11月の社長就任後、"ちゃんとした"経営を実現するため、組織改革に取り組んだことを前編で話しましたが、一連の改革では本社オフィスを刷新することも1つの大きなテーマでした。

 2013年7月、新装した歌舞伎座タワー(東京・銀座)に入居しました。それまでの本社オフィスはフロアごとに仕切りがあって、ワンフロアが一望できるような環境ではなかったうえ、会社の成長に合わせて人数が増えたことにあわせてビル内でオフィスが飛び地になっていたんです。別の部署に行くのに、部屋を出てエレベーターに乗って他の会社を通り過ぎて行くとか、そんなことが日常茶飯事でした。

 結果として社内のコミュニケーションが円滑に進みにくく、縦割りの硬直化も招いていたように思います。それから無線電波干渉がひんぱんに起きていたこと、これも課題でしたね。

 こうした条件をクリアできたのがこの歌舞伎座タワーで、ワンフロアが525坪ぐらいあるので一帯を見渡すことができます。

場の作り方次第で組織の強さは変わる

 一方で、企画・営業、エンジニア、グループ会社など、部門ごとにフロアを分けたことで、個別の働き方の最適化も実現できました。

 例えば、活動的でフットワークの軽さが求められる営業系の部門のフロアはフリーアドレスにして、デスクの幅も必要最小限にしました。かと思えば、エンジニアがコツコツと開発しているような部門は落ち着いて集中できる環境が必要です。デスクは広めで、高いパーテーションで仕切って、業務に没入できるスペースを提供しています。

 新オフィスのコンセプトは「社員を『全員主役』にする」というもの。噛み砕いていえば、1人1人ちゃんと働こうよということ。もちろん僕も働きます。それぞれの仕事に必要な環境に設計できたらいいなと思った結果、フロアごとにカラーが異なったというわけです。職種によって働き方も違うので、オフィスも違っていいと思うんですよね。

wsDwango_3.jpg

企画職、営業職が入居する11階。フリーアドレスを導入し、役職者は全体を見渡せる高台に位置する。迅速なコミュニケーションと意思決定を重視した構成。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU、「グリーンウォッシュ」巡り最終指針 ファンド

ビジネス

エーザイ、内藤景介氏が代表執行役専務に昇格 35歳

ビジネス

米ボーイング、4月商用機納入が前年比2機減の24機

ワールド

ロシア、潜水艦発射型ICBM「ブラバ」本格配備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中