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世界経済IMFが世界成長率予想を下方修正 中国景気減速や原油安で
2016年の成長予想を昨年10月時点の3.6%から3.4%に引き下げ.
1月19日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通しを公表し、2016年の世界成長率予想を昨年10月時点の3.6%から3.4%に引き下げた。写真はIMFのロゴ。2009年3月撮影(2015年 ロイター/Bogdan Cristel)
国際通貨基金(IMF)は19日、世界経済見通しを公表し、2016年の世界成長率予想を昨年10月時点の3.6%から3.4%に引き下げた。中国貿易の大幅な伸び悩みや商品価格安によってブラジルなど新興国市場が打撃を受けていることが要因。
17年の世界成長率予想は3.8%から3.6%に下方修正した。
IMFは、政策当局者は短期的な需要を促進する方策を検討すべきだと指摘した。
16年の中国成長率予想は6.3%、17年は6.0%で据え置いた。ただ、14年の7.3%、15年の6.9%からは依然大幅な景気減速となる。
IMFは、中国の一段の需要鈍化が引き続き世界経済に対するリスクとなっており、予想よりも弱い同国の貿易が、他の新興国市場や資源輸出国を大きく圧迫していると指摘した。
IMFの主任エコノミスト、モーリス・オブストフェルド氏はビデオに録画された声明で「6カ月前と比べて中国のファンダメンタルズに大きな変化は見られない。しかし、市場はそこで起こる解釈が困難な小さな事象によって明らかに動揺している」と語った。
IMFは市場の混乱によってリスク回避の動きが強まり、新興国市場の通貨が下落した場合、世界の成長率はさらに下振れする可能性があると警告。その他のリスクとしてドル高の進行や地政学的な緊張の高まりを挙げた。
米経済については、ドル高による製造業への影響や原油安を受けたエネルギー投資の縮小によって回復ペースが減速するとし、16年と17年の成長率予想を2.8%から2.6%に引き下げた。
欧州では原油安が民間消費を支援するとし、16年のユーロ圏成長率予想を0.1%ポイント引き上げ、1.7%とした。17年の予想も1.7%。
ブラジルの16年成長率予想はマイナス3.5%。前回の予想から2.5%ポイントの下方修正となった。中国の需要減退を背景に17年はゼロ成長が見込まれている。
オブストフェルド氏は、日本や欧州など一部の国・地域について、緩和的な金融政策を維持すべきだと提言した。