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「クリエイティブ51、ビジネス49」をバランスさせる経営

2016年1月28日(木)11時12分
WORKSIGHT

時には赤字覚悟で取り組むべきこともある

 とはいえ、整理や効率化だけがマネジメントだとは思っていません。エンターテイメントやクリエイティブが主体の会社なので、すべてを厳密に計数管理することは難しいでしょうし、時には初期のniconicoのように、赤字覚悟で取り組まないといけないこともあるでしょう。

 例えば、今年で4回目を迎えたニコニコ超会議** もそう。僕が社長になった年に1回目が開催されたんですけど、このときは大変な赤字でした。でも長期的な事業モデルを考えたら、これは毎年やっていかないといけないということになったんです。もっとも準備時間が短くて、多くの協賛企業に参加していただけるような営業努力が十分にできなかったことも影響していたので、2年目は営業をしっかり頑張りました。やっぱり赤字でしたけど1回目よりは赤字幅は小さくなりました。そんなことを全社を挙げてやっていきました。

 niconicoをこれからのドワンゴの中核事業として位置付けて、それが今後もちゃんと成長、発展していくように会社の考え方や行動を揃えていく。効果を最大化できるところへ資源を集中的に投下していく。そういう形に組織を変えていった結果、企業の価値も高めることができたと思います。

 2014年10月には株式会社KADOKAWAと経営統合して株式会社KADOKAWA・DWANGOを形成する一方で、ドワンゴとしては子会社を吸収して1つの大きなグループにしていくんですね。1つにすることが常に正しいとは思っていないけれども、このタイミングでは良い選択だったと思います。

wsDwango_2.jpg

ビジネスと管理が強くなると、成功事例をなぞるだけになってしまう

 会社として効率化すべきところは効率化したほうがいい。例えばシステムの統合プラットホームがあったほうがいいところもあります。全部ばらばらにしていたらコストもかかるし、業務もスムーズに進まないでしょう。そういうところを"ちゃんとする"こともマネジメントだと思うんですね。

 かといって、すべて同じカルチャーで、同じような能力、センスを備えた人たちに同じことができるよう教育したところで、そういう人たちが集まっても多様で面白いものはまず生まれないでしょう。

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