ギリシャを切る欧州の覚悟は本物か
次の問題は、ヨーロッパ人がギリシャを潰して放り出すという脅しを本当に実行するのかどうか。ギリシャ経済が潰れれば、ヨーロッパ経済や政治的な地位にも影響が及ぶ。ギリシャをユーロ圏内にとどめるためにどこまでやるべきかは国によっても違いがある。例えばドイツのメルケルは、ギリシャに残って欲しいが、「何がなんでもというわけではない」と言った。
ヨーロッパの政府は今でもツィプラスのやり方に面喰っているかもしれないが、ツィプラスが本当のプレッシャーをかけてくるのはこれからだ。例えばギリシャ中央銀行はECB(欧州中央銀行)に対して追加の流動性をリクエストしたという。
ギリシャ財務省は、数日内にIOU(借用証書)の印刷を始めるかもしれない。公務員の給与を払い年金を支払うためだ。
もし債権者がギリシャと再交渉のテーブルに戻る気になったとしても、ツィプラスが国民投票で有権者に約束したような都合のいい話には乗らないだろう。
ツィプラスが過去1週間に売った約束は、「緊縮しなくてもデフォルトにはならない」だったのだから。
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