最新記事

トレンド

来年の流行色「マルサラ」はくず肉の色?

パントン色彩研究所が発表したカラー・オブ・ザ・イヤーには「自然な力強さがある」と宣伝されているが

2014年12月9日(火)17時10分
クリスティン・ホエンナデル

好きか嫌いか パントン番号18-1438のマルサラはこんな色 Pantone

 毎年12月になると、パントン色彩研究所(米ニュージャージー州)が来年の「カラー・オブ・ザ・イヤー」を発表する。デザイナーや消費者が好んで使用したり、着たり、買ったりするであろう色を予測するのだ(パントンは国際標準として使用されている色見本帳の製造企業)。

 先週発表された2015年の色は「マルサラ」。パントンの報道資料によれば、マルサラは「自然な力強さのある、素朴なワインレッド」だ。今年の色だったラディアントオーキッド(淡い紫色)が創造力や革新性を刺激するのに対し、「マルサラは私たちの心と体を豊かにし、自信や強さをみなぎらせる」と、パントン色彩研究所のリアトリス・アイズマンは言う。

 この色の由来は、イタリアのマルサラワイン。ワインにアルコールやブドウ果汁を加えて熟成させるものだ。「元になったワインのように、この上品な色は豊かに熟した食を体現している。温かく、それでいておしゃれで普遍的な魅力があり、ファッションや美容、工業デザイン、家具やインテリアの世界で容易に応用できる」とパントンは指摘する。

男子学生の寮の浴室を思い起こさせる

 誰もがカラー・オブ・ザ・イヤーに強い関心を持つわけではないが、ネットなどのデザインコミュニティーでは大々的に取り上げられて話題になっている。

 しかし色に対する感覚は主観的なものだし、そもそも好みは人によって違う。ニューヨークのカット誌は、マルサラを「不快」な色と表現した。アトランティック誌の「パントンのカラー・オブ・ザ・イヤーの問題」と題した記事は、マルサラは一部の人には「さびて薄汚れた男子学生の寮の浴室」を思い起こさせる、「または長い間空気にさらされて乾き、レンガのようになった血だ」と書いている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

IMF、経済成長予測を大幅に下方修正へ 世界的な景

ビジネス

午前の日経平均は続伸、個別物色広がる 買い戻し中心

ワールド

トランプ氏、米政府職員の採用凍結延長へ 7月まで

ワールド

ウクライナ中銀、金利据え置き 25年成長率予想を3
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、アメリカ国内では批判が盛り上がらないのか?
  • 4
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 7
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    関税を擁護していたくせに...トランプの太鼓持ち・米…
  • 10
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中