「タクシー業界の敵」で「破壊的」なUberとは
Uberによれば、この判決が出てから24時間以内にドイツ全域で会員登録が3倍以上増えた。最も増えたのはハンブルグで590%伸び、次いでデュッセルドルフ(518%)、ミュンヘン(329%)でも急成長。事業が禁止されたフランクフルトでさえ利用登録が228%増えたと、Uberは宣言している。
この数字を見ると、地元当局の介入をものともせず、Uberが各地で急速に市場を拡大している理由が分かる。Uberの利用価値を判断するには、お試しで使ってみるのがいちばんだ。そして、いったん使ったら、その利便性に味をしめる。こうなればニーズは高まる一方で、規制当局も手出しできなくなる。
こうした読みを頼りに、Uberは数年前にカリフォルニア州の裁判所が出した業務停止命令も乗り切ってきた。ニューヨークと首都ワシントンでも規制当局と一悶着あったが、いずれもクリアできた。
13年にドイツに進出したUberは、この国は「最も成長が速い市場」の1つだと発表している。つまりは、ドイツの利用者はすでにUberを試し、その利便性を手放したくないと思っているということだ。こうなれば、当局が厳しい姿勢で臨んでも、拡大を止めるのは難しい。
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