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流し台の横にベッド、ロンドン劣悪住宅事情

賃貸料の高騰に苦しむロンドンやパリの住まい、あの手この手

2014年6月24日(火)15時51分
ジェシカ・フィーラン

まるで独房 ベッドで部屋の半分近くが埋まってしまうワンルーム www.rightmove.co.uk

 イギリス人の日常会話の定番といえば天気の話だが、昨今の話題の中心は不動産だ。家賃の異常な高騰で、700ポンド(約1200ドル)出しても独房のような部屋しか借りられない。

 なかでも先週注目を集めたのが、ロンドン中心部のとあるアパート。月737ポンドで賃貸広告を出したところ、それから数時間で借り手が見つかった物件だ。とにかく狭いワンルームで、ベッドの位置は台所の流しの横。トイレと浴室は辛うじて付いているようだ。

 似たような話はごろごろしている。例えば先月、月536ポンドという堂々たる金額で貸しに出されたロンドン西部の物件。ベッドに隣接する冷蔵庫の上に電子レンジ、ポット、電気コンロが積み上げられている。部屋というより「台所」にベッドを無理やり詰め込んだ感じだ。小さなシャワーはあるが、トイレの有無は不明。それでもすぐに借り手がついたらしい。

 賃料の高さは、ロンドンだけの話ではない。調査会社のデータによれば、寝室を3つ備えた家の賃貸料を世界の都市で比較すると、香港、モスクワ、カラカス、ニューヨーク、ロンドンの順だという。欧州では、モナコの家賃が最も高く、以下イギリス、ロシア、フランスと続くとするデータもある。

 部屋の狭さで群を抜くのは、パリの物件。約2.5平方メートルで月300ユーロ(約410ドル)の部屋に15年住んでいた人もいる。貯蔵戸棚や大型ゴミの収容場所まで部屋として貸し出していた大家もいるという。

From GlobalPost.com特約

[2014年6月17日号掲載]

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