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中国習近平、アフリカ重視外交のしたたか
国家主席就任直後の習近平がロシアの次にアフリカ諸国の歴訪を選んだ訳
微笑外交? 最初の訪問先タンザニアで演説した習近平は中国とアフリカの「対等な関係」を強調した Thomas Mukoya-Reuters
今月中国の全国人民代表大会(全人代)で国家主席に選出された習近平(シー・チンピン)は、その10日後にはアフリカの地を踏んでいた。
タンザニアから始まった習のアフリカ諸国歴訪は、途中南アフリカのダーバンで開催されるBRICSサミットへの出席を挟み、最後の訪問地コンゴ共和国まで続く。
タンザニアの最大都市ダルエスサーラムにある、中国の援助を受けて建設された会議場で演説した習は、前胡錦濤(フー・チンタオ)政権と変わらずアフリカを支援すると誓った。「中国はこれまで通り、アフリカが必要な援助を政治的な要求なしで継続する。中国とアフリカは、対等な関係として友好を深めていく」。
習はアフリカを「希望と約束の大陸」と呼び、アフリカへの「心からの友情」を強調した。さらに、中国が関心を持っているのはアフリカの天然資源の搾取だけだ、という批判に間接的に答え、「アフリカはアフリカの人々のものだ。アフリカとの関係を発展させる上で、すべての国々はアフリカの尊厳と独立を尊重しなければならない」と語った。
就任直後の歴訪が象徴する「兆候」
習のアフリカ訪問はこれで6回目で、前回は2011年11月だ。今回の歴訪で習をはじめ中国政府一行は、訪問先の各国で貿易推進や開発援助を約束することになっている。
さらにBRICSサミットで中国政府は、他のBICS諸国のブラジル、ロシア、インド、南アフリカと共同で出資し、発展途上国のインフラ整備などを援助する「BRICS開発銀行」を発足させる予定だ。
習は今後3年間で合計200億ドルのアフリカへの借款を約束し、中国とアフリカの貿易額が昨年約2000億ドルに達したことを明かした。資源豊かなアフリカから、中国は鉱物資源など多くの原材料を輸入している。昨年のアフリカから中国への輸入総額は1130億ドルで、この10年で20倍に増加した。
習の国家主席就任後初の訪問先はロシアだったが、その次がアフリカだというのは象徴的だ。これまで経済的な利害関係しか考えていなかった中国が、アフリカでの政治的な影響力も考慮し始めた兆候かもしれない。
中国メディアは、アフリカ諸国との良好な協調関係を伝える高揚したプロパガンダ報道で埋め尽くされている。つまり、それが中国政府の至上命題の1つに位置付けられているということだ。
From GlobalPost.com特約