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経営アップル大物幹部退社で市場に悲観論
地図ソフト「マップス」の失態で退任するフォーストールは、クックCEOの後継候補とも目されていた
投資家も当惑 クックCEOの人事の影響を懸念して、アップル株は大幅に下落した Robert Galbraith-Reuters
米アップルが29日、2人の取締役が退任すると発表したことを受け、31日のニューヨーク株式市場では同社の株価が大幅に下落した。
退任するのは、携帯端末向け基本ソフト「iOS」を統括するスコット・フォーストール上級副社長と、小売業務の責任者ジョン・ブロウェット上級副社長。これほど大きな幹部の入れ替えは、スティーブ・ジョブスが亡くなって以来。
投資家の反応を見る限り、発表から1日以上経っても困惑が広がっているようだ。ハリケーン「サンディ」の影響で、29日から2日間取引を中止していたニューヨーク株式市場では31日、アップルの株価は約3カ月ぶりに終値で600ドルを割り込んだ。
フィナンシャル・タイムズによると、フォーストールとブロウェットは事実上更迭されたようだ。フォーストールは有力幹部の一人で、ティム・クックCEOの後継者とも目されていた。しかし9月、自ら責任者を務めていた最新版iOSの地図ソフト「マップス」を搭載したiPhone5が発売されると問題が続出。投資家やユーザーから批判が殺到した。
ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、フォーストールはマップス騒動について公に謝罪する文書に署名することを拒否。その後、クビを言い渡されたようだ。フォーストールは謝罪しなくても問題を乗り切れると主張したが、クックには受け入れられなかったようだ。
「最新版iOSで、グーグルマップの代わりを果たすはずだったマップスのアプリがお粗末だったことは、アップルの面汚しになった」とJPモルガン・チェースのアナリスト、マーク・モスコウィッツはリポートの中で指摘している。「今後リスクとして一つ考えられるのは、フォーストールがグーグルやマイクロソフトなど競合他社に移って、モバイルシステムを手掛けることだ」
一方、アップルに約半年前に入ったばかりのブロウェットは、会社に馴染まなかったうえ、小売業務の責任者としてミスを犯し過ぎたことが退任の要因になったようだ。CNNによれば、ブロウェットは顧客より利益を優先してアップルストアの人員を削減するなど、誤った方針を次々と打ち出した。
31日、アップルの株価は一時2.7%近く下落。最終的には、前営業日比1.4%安の約595ドルで終了した。
From GlobalPost.com特約