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欧州債務危機今がユーロ危機を脱する最後のチャンス
ギリシャ再選挙では緊縮策推進派が勝利してユーロ離脱を免れたが、今のままでは世界的な景気後退を防げないと、ブラウン前英首相が緊急提言
綱渡りは続く ユーロ圏の経済大国に財政危機が広がる可能性はまだあると、ブラウン前英首相は訴える Peter MacDiarmid-Reuters
今回のG20サミットは、世界にとっての「ラストチャンス」だ――18日からメキシコで開かれるG20開催に先立ち先週、イギリスのゴードン・ブラウン元首相はロイター通信に寄稿したコラムでこう警告した。
ユーロ離脱の瀬戸際にあったギリシャ、1000億ユーロの支援で合意したスペインにとどまらず、イタリアやフランスにも間もなく財政支援が必要になるかもしれない。そんな状況下で、ユーロ危機が世界的な景気後退を招くのを止めるには、今回のG20サミットが最後のチャンスだと、ブラウンは訴えた。
サミットの開催国であるメキシコのフェリペ・カルデロン大統領は、環境保護と経済成長の両立や科学技術・農業技術への投資を主要議題にしたいと語っている。しかしブラウンは、一刻を争うユーロ危機を議論すべきだと主張している。「この状況で、いつものように中身のないサミット声明文を出すだけでは、まるで役に立たない」
ギリシャ最悪のシナリオは回避したが
17日に行われた再選挙でギリシャがユーロ離脱を免れたとはいえ、危機が去ったわけではない。再選挙では、EUの緊縮策を支持する旧与党の新民主主義党と全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が議席の過半数を獲得し、連立政権が発足する見通し。これで最悪のシナリオは回避できたとの見方が広がっている。
それでも、ユーロ圏の経済大国に財政危機が波及する可能性はまだ残っていると、ブラウンは言う。EUで最も堅実とされる「ドイツの銀行でさえ、資本増強が必要になる恐れがある」と警告している。「G20で各国がただちに足並みをそろえて計画を打ち出さなければ、世界的な景気後退に直面するだろう。そうなれば、アメリカの大統領選や中国共産党の体制移行にさえ大きな影響を及ぼす」
ブラウンの懸念は、EUのリーダーたちも十分理解しているようだ。イギリスのデービッド・キャメロン首相はG20に先立ち、ユーロ圏の首脳陣にビデオ会議を呼び掛けた。ジョゼ・マヌエル・バローゾ欧州委員会委員長も先週、ヨーロッパの指導者は一丸となってこの難局を「乗り切らなければならない」と訴えた。
From GlobalPost.com