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政治献金政界工作に乗り出したフェースブック
政治献金を行うための政治活動委員会を設立し、ワシントンのインサイダーを社内に迎え入れる思惑は
攻撃は最大の防御 プライバシー規制から身を守るためロビー活動を本格化させるザッカーバーグCEO(9月22日) Robert Galbraith-Reuters
フェースブックは9月26日、社内に政治行動委員会(PAC)を立ち上げる法的手続きをスタートさせたと発表した。PACは、企業が政治献金をするために設立組織だ。
「経済におけるイノベーションの価値を推進し、よりオープンで互いにつながった世界をつくる力を人々に与えることが、わが社の目標だ。フェースブック政治行動委員会(FB PAC)は、この理念を共有してくれる候補者を支援することで政治プロセスに自身の声を届ける手段を、社員に提供する」と、フェースブックの広報担当者は語った。
ワシントンの政治ニュース紙ザ・ヒルによれば、フェースブックが「FBPAC.org」と「FBPAC.us」というドメインネームを取得したことは以前から指摘されていた。これまで同社が特定の候補者を支持したことはなかったが、ワシントンでのロビー活動の存在感はこの数年高まり続けている。
ロサンゼルス・タイムズ紙によれば、フェースブックの急成長に伴って「ネット上の厳格なプライバシー規制といった政策から自社を守る必要性」が浮上。FB PACの設立は、同社の政治的進化の新たなステップだという。フェースブックは今年上半期だけで、連邦政府関係者へのロビー活動に55万ドルを投じている(09年は年間で20万ドル強)。
企業が候補者に直接カネを渡すことは法的に認められていないが、社員の自発的な寄付で設立された政治活動委員会をもつ企業は多い。
寄付が集まると、政治活動委員会は候補者に献金を行う。関係業界に関する法律を扱う議会委員会のメンバーである民主党と共和党の複数の議員に献金してリスクを分散させるケースもある。
昨年の場合、フェースブックの社員には圧倒的に民主党支持者が多かった。社員の寄付総額5万470ドルの8割が、民主党議員に向けたものだった。
アド・ウィーク誌によれば、フェースブックは最近、ワシントンのインサイダー数人を幹部役員として迎え入れている。今月には、クリントン政権で首席補佐官を務めたアースキン・ボウルズを取締役に任命。6月にもクリントン大統領の報道官だったジョー・ロックハートを、グローバルコミュニケーション部門の責任者に抜擢した。