EUがひた隠すギリシャ危機のプランB
債務免除してもらって小さな国に
エマヌイリディスによれば、今のシステムにおいて残された唯一の方法は、ギリシャがユーロではなくEUそのものを離脱することだ。これはEUの基本条約に明記されている選択肢だが、エマヌイリディス自身もこれは現実的ではないと考えている。
ユーロから「離脱するためには何をすることが必要か、解決しておかなければならない問題が山ほどある」とエマヌイリディスは言う。「法律的な問題以外にも、解決の難しい実務上の問題がたくさんある。離脱する国もユーロ参加国の側も、数え切れないほどの妥協を覚悟しなければならない」
ゲゲンは、財務政策の異なる国々が統一通貨を導入するというユーロ圏モデルは持続不可能であり、EUはギリシャの経済崩壊の重荷を負うべきだと主張する。最低基準を満たせるかどうかの確証もなしにギリシャを統一通貨ユーロに迎えた以上は、「EUが責任を負って債務の多くを担わなければならない」と彼は言う。
ただし、度重なる救済という形ではない。それは底なしの穴にカネを投げ入れるようなものだと彼は表現する。
ギリシャはユーロ圏を去るべきだと彼は言う。そして連帯責任によって、EUが「ギリシャの債務の4分の3を免除する代わり、ギリシャはユーロ圏とは別に小さな債務国家として再スタートをきればいい」
だがこれはプランBではない。ゲゲンに言わせれば、これこそがプランAであるべきだ。