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米企業アメリカ人エリート「野心はダサい」
競争より協力を重視した甘やかし教育の弊害で、経営幹部の適任者が埋まらない人材不足に
人材サービス会社のマンパワーが行った調査によれば、失業率は10%を超えているのに、アメリカ企業は良い経営幹部が採用できず困っているという。年末までには推定1000万人のベビーブーム世代が退職年齢に達することもあり、経済学者も危機感を募らせている。
なぜ適任者がいないのか。スタンフォード大学経営大学院のジェフリー・フェファー教授は新著『成功する人としない人の違いは何か』で、「若い世代にとって『野心』は格好良くないものになった」と指摘する。
今はビジネススクールの卒業生の多くが出世競争をダサいと感じている。21世紀に入って成人した世代はチームワーク重視で、競争するよりは協力するほうがいいと考えている。
フェファーによれば、これは「甘やかし文化」の弊害だ。高校では成績優秀者を1人ではなく複数選び、野球では勝っても負けてもトロフィーをもらう。
やる気のある人間にとっては逆にチャンスだ。フェファーの著書に出てくる若者は、会計事務所デロイトへの入社を決める前にCEOとの面談を要望。年1回の夕食も約束させた。
職場で好かれはしないだろうが、この若者が幹部専用オフィスをゲットできる可能性は高い。
[2010年11月 3日号掲載]