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テクノロジーグーグル、クラウドで官需に殴り込み
ロス市警にダメを出された挫折から素早く立ち直り、マイクロソフトの強力なライバルに
グーグルは、ロサンゼルス市政府にグーグル・アップスの導入をすませるはずだった6月30日の納期を守れなかった。グーグル・アップスはネット上でメールや文書管理などのソフトを提供するクラウドベースのサービスだが、極秘の捜査情報を扱うロサンゼルス市警がセキュリティ上の懸念を示し、それに応えられなかったためだ。
この不名誉な事実をグーグルが渋々と認めたのがつい昨日のこと。ところが早くも今日は、納期遅れの原因となったセキュリティ上の問題を解決する新製品の投入で反転攻勢に出た。
グーグルが7月27日に発表した「グーグル・アップス・フォー・ガバメント」は、企業向けのパッケージと大差ないが、セキュリティを強化した。具体的には、公共部門の顧客のデータを蓄積するサーバーを民間企業向けのサーバーと切り離した。政府の機密情報が、セキュリティの弱いクラウド上のデータに紛れ込むことはないと保証するためだ。グーグル幹部は、サーバーがどこにあるかも明かさない。「アメリカ本土のどこか」の秘密の場所にある、と言うだけだ。
「通行手形」のFISMA認定を取得
連邦政府はこうした対策に満足したようだ。グーグルは政府向けグーグル・アップスの発表と同時に、同製品がIT事業者の垂涎の的である「連邦情報セキュリティマネジメント法(FISMA)」の認定を得たと発表した。極秘情報や非公開情報を扱う連邦政府機関の仕事を受注するには不可欠の認定だ。
グーグルは長いこと、連邦政府機関の購買やIT投資を一手に扱う連邦一般調達局(GSA)の契約を獲得するためマイクロソフトと競争してきた。GSAの仕事を受注した企業には政府の他の機関からも注文が殺到する可能性が高く、大きな収益源になる。FISMAの認定を得た今、この重要な受注合戦でグーグルは突如強力なライバルにのし上がったわけだ。
ほんの24時間前グーグルは、同社のアプリケーションがロス市警の捜査資料を扱うには実力不足という烙印を押されたことについて、しどろもどろの釈明を強いられていた。一夜にして、すごい逆転である。