さよならアップル、こんにちはグーグル
現在、闘いの場はモバイル機器に移り、かつてと同じくアップルが一歩リードしている。そしてかつてと同じく、ジョブズは自己中心的になった。フラッシュのように機種を超えて利用されるソフトやアプリケーションを取り入れようとしない。アプリ開発業者をアップルの機器と、専用ソフトを配信する「アップストア」に囲い込みたいからだ。アップルはアップストアの売り上げから30%をコミッションとして得ている。
彼はiAdという広告システムも作り上げ、それ以外の広告システムとユーザー情報を共有することを拒否するという暴挙に出た。今夏にサービスが始まるiAdでは、売り上げの40%のコミッションを得る予定だ。
コンテンツの検閲さえも行い、彼が不快と感じたものは排除している。その対象はポルノだけでなく、少々際どかったり挑発的なもの、または「公人を愚弄する」ようなものまで含まれる。
ジョブズ1人で楽しんでいてくれればいい
さらに侮辱的なのは、ジョブズが自身の自己中心ぶりを利他的行為に見せかけようとしていることだ。彼は素晴らしい体験を創造するとうたい、意図的に機能を制限した製品を売っているかもしれないのに、それはあなた方のためだと言う。
ふざけた話だ。アップルが作った生態系から自分たちが一セントでも多く引き出し、他者にはこれっぽっちも残そうとしていない、というのが真実なのに。
iPhoneの通話の不安定さにはもううんざり。そしてそれ以上に、アップルが我々をばか扱いし、威張り散らし、自社製品の欠点に対してふざけた説明を垂れ流す――自分たちの欠陥は欠陥ではなく強みだと強弁する――ことにうんざりだ。
スティーブ・ジョブズは、壁に囲まれた自分の大切な「庭」を作り上げた。細菌に触れることを恐れてペントハウスに引きこもっていた企業家の大富豪ハワード・ヒューズに、ジョブズはますます似てきた。
グーグルは今こう言っている。やあ、いい庭じゃないか。そこで楽しんでいてくれ。1人でね。
グーグルのビック・ガンドトラ技術担当副社長は、同社が携帯市場に参入した理由についてこう語った。「我々が行動しなければ、1人の人間、1つの企業、1つの端末しか残らない厳しい未来に直面することになる」
実は今朝、iPhoneにうんざりした私はベライゾンに電話をして、HTCインクレディブルについて問い合わせてみた。担当者によると現在入荷待ちで、30日は待つことになると言われた。
驚きはしなかった。正直言って、待つ価値はある。