中国株は天井知らずなのか
失敗を許されない「中国政府株」
中国の国内消費は80年以降年15%という健全な伸びを続けており、これ以上加速させるのは難しい。ところが投資のほうは、02~08年にそれ以前の20年間の年21%を上回る年25%超まで加速。その結果、投資の対GDP比は40%を超えた。これまでこの水準を維持できた国はあまりない。
今年前半に中国政府が大規模な景気刺激策に踏み切ったため、投資総額の対GDP比は50%近くに達している。アジアの大国として、中国はこの過剰投資の動きを抑える必要がある。さもないと、景気が投資の増減に左右される状況を招きかねない。
このような事態を回避するため、中国政府は資金を私営企業に流す債券市場の役割を拡大し、資本市場の自由化を進めて国内のカネ余り状態を解消しなければならない。中国が今年前半、極めて大胆な景気刺激策によって世界経済の安定化に果たした役割は過小評価できない。それでも今は、過熱気味の自国経済を沈静化させることに専念すべきだ。
経済の舵取りが巧みだという評判を今後も維持するためには、中国政府は少なくとも過去30年間続けたのと同じくらいの努力をしなくてはならない。詰まるところ、「中国政府株」に失敗は許されないのである。
[2009年9月16日号掲載]