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2010.04.12
ニューストピックス
【8】それでも、デリバティブは必要だ。
2010年4月12日(月)12時07分
金融機関の貸し倒れを防ぐ「保険」だったクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が米保険大手AIGを破綻させたことや、少ない元手で大きく儲けようという投機に使われたことで、デリバティブ(金融派生商品)はすっかり金融危機の戦犯扱いされている。
だがデリバティブには本来、相場変動による損失をあらかじめ限定するリスクヘッジ機能がある。商品や債券、通貨をあらかじめ決めた価格やレートで売買する先物取引や、取引の「権利」を売買するオプション取引などが代表的。日本の輸出企業が行う為替予約もその一種だ。
規制外のCDSが目の届かないところで乱用されたことから、各国の金融監督当局はデリバティブの情報開示と運用ルール作りに乗り出した。取引の透明化には誰も異論がないが、規制が行き過ぎれば本来のリスク分散機能が失われかねない。
逆にデリバティブの対象を不動産にも広げ、株や債券のように高値で売って安値で買い戻す「空売り」ができるようにすれば、低迷する市況にてこ入れできるというエコノミストの主張にも一理ある。
[2009年4月15日号掲載]
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