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2009.10.13

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アイザック・ドゥロジャイイェ(ナイジェリア/衛生)

アフリカのトイレ問題に大革命

2009年10月13日(火)11時32分
アレグザンドラ・ポリャー

 人間の排泄物処理はアフリカの深刻な問題だ。貧しい人々は公の場やビニール袋に排便するしかない状況で、道端には人糞が積まれたままになっている。ナイジェリアの人口1億5000万人に対して、公衆トイレは500しかない。

 だが1人のビジネスマンの登場で、状況は変わりつつある。彼の名はアイザック・ドゥロジャイイェ。99年に移動トイレを製造するDMTモバイル・トイレッツ・ナイジェリア社を立ち上げた。これまでに提供したトイレは250。年間売り上げは120万ドルにのぼる。

 旧首都のラゴスに生まれたドゥロジャイイェは、一度はカード会社に就職。だがそれから程なく身長218センチ、体重130キロの体格を生かし、当時大統領候補者だったM・K・Oアビオラのボディーガードになった。ビジネスの人脈はこのとき築いたらしい。

 警備業からトイレ業へ転身するアイデアが生まれたのは、92年のこと。富裕層の結婚式で警備に就いたとき、ゲスト用のトイレが十分でないことに気づいたのだ。それから7年かけて会社を設立し、イベント会場にトイレを提供しはじめた。

 その利益を元手に、ドゥロジャイイェは都市周辺へ無料トイレを設置するようになった。さらに管理のため、ホームレスの女性やストリートチルドレンを雇い入れた。

 ドゥロジャイイェの成功に刺激され、ナイジェリアでは同じようなビジネスを立ち上げる人が増えているという。

[2007年7月18日号掲載]

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