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2009.09.16

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朝げいこで垣間見る相撲の本質

西洋のスポーツにはない独特の文化と精神

2009年9月16日(水)10時57分
マーク・シリング(映画評論家)

 日本の映画撮影スタジオはほとんど見たが、京都の東映太泰映画村は面白い。映画やテレビ番組を撮影した本物のセットが残っているし、チャンバラショーもある。寺めぐりもいいけれど、サムライがチャンバラするところをライブで見ると感激する。

 映画館が多い東京・有楽町で、映画を見た後に評論家仲間とよく行くのが、マリオンと有楽町駅の間の古い商店街エリア。パチンコ屋や安い中華料理店がひしめいていて、私が日本に来て30年間、あまり変わらない。まだ昭和が残っている感じがして、味がある。そういう場所がどんどん消えていくのは、とても残念だけど。

 映画以外では、相撲も大好き。両国にはよく行くし、相撲部屋の朝げいこも毎場所のように見に行く。寒い冬も、力士たちは朝早くから何時間も厳しいけいこをする。そこには本場所では見えない相撲の本質、本当の苦しさと努力が見える。

 相撲は、西洋のスポーツとはまったく違う。ちょんまげとか格好だけじゃない。ずっと集団生活だし、地方場所のときは長年つき合いのある寺に泊まる。そういう文化は西洋のスポーツにはないよ。

<Profile>
Mark Schilling マーク・シリング
映画評論家。アメリカ出身。ジャパンタイムズ紙やバラエティー紙などで日本映画の評論や日本映画産業に関する記事を執筆。著書は『The Yakuza Movie Book: A Guide to Japanese gangster Films』や『No Borders, No Limits: Nikkatsu Action Cinema』など。欧州最大級のアジア映画祭「Udine Far East Film Festival」の委員も務める。
http://japanesemovies.homestead.com/

[2005年3月 9日号掲載]

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