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鳩山政権と民主党ニッポンの進路
by トバイアス・ハリス
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民主党政権で小沢一郎の役職は?
小沢が自分に忠実な党員を使って内閣に圧力をかけず、逆に党内安定に貢献する可能性もある
[2009年8月24日更新]
鳩山政権で藤井裕久が財務相に任命される可能性について先日のブログに書いたが、その後産経新聞が、内閣の重要なポストについて長文の観測記事を掲載した。それによると、鳩山由紀夫は藤井を財務相に、岡田克也を外相に、菅直人を官房長官にそれぞれ任命するかもしれない。
岡田を財務相にとの声もあるが、消費税増税を否定していないため党には受け入れられないという。私は菅を官房長官にするのは良いアイデアだと思う。菅は行政改革に関して党の筆頭スポークスマンになりつつあり、行政改革は民主党政権の官房長官にとって中核的な仕事になるからだ。記事は長妻昭が入閣する可能性も示唆している。
当然ながら、小沢一郎を党幹事長に充てる案にも記事は触れている。私は小沢を入閣させないことの妥当性に今もやや懐疑的だが、小沢が自分に忠実な党員を使って内閣に圧力をかける危険については前ほど心配していない。確かに民主党には、政界入りを手助けしてもらった恩義を小沢に感じている候補者もいるだろうが、小沢が自らへの忠誠と党への忠誠のどちらかを選ばせるとは思えない。むしろ小沢が党内を安定化させる可能性もなくはない。事実上の「院内幹事長」を務めながら、党が将来の選挙に向けて態勢を整えるのに貢献するというわけだ。
もっとも、党への忠誠に関しては小沢には疑わしい過去がある。自分がつくった政党への忠誠すら疑わしい。政治アナリストの伊藤惇夫は文芸春秋最新号の記事で、「政党は道具に過ぎない」という小沢の言葉を発掘している。だがそれはあくまで過去の話。小沢はこれまで、自民党に圧勝して衆議院の3分の2近い議席を獲得した政党──もうすぐ実現しそう──を率いる立場には就いたことがないのだ。
小沢の党への忠誠について、歴史は単純に繰り返すのか。そう思えない理由は大いにある。