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『ナタ2』が大ヒット中だが、中国アニメ映画に世界市場は不要?
ただ、見る人によってはナタが中国を、ライバルの龍王の王子「敖丙(アオビン)」はアメリカを象徴しているようにも見える。『ナタ2』には、「先に道がないなら、私が道を見つける。天の法則が許さないならこの天地を逆転させてやる」というナタの言葉が出てくる。映画には、「この世界の既存の秩序を打破し、新たな秩序を確立する」思想が所々ににじむ。転覆すべきなのは中国の体制か、世界の秩序か。
日本や東南アジアでも公開予定だが、上映が始まった北米の観客は中国系住民が中心。真のグローバル化はまだ遠い......ように思えるが、『ナタ2』の興行収入はアニメ映画世界一に迫る勢いだ。中国産AIのディープシークも国内人材を中心に開発された。もはや中国に「世界」は要らないのかもしれない。
ポイント
中国アニメ
1941年に上海でアジア初の長編アニメ映画『西遊記 鉄扇公主の巻』が制作された。文化大革命の停滞を経て、改革開放後に海外アニメが大量に流入。2000年代から政府が国産作品の制作に力を入れ始めた。
ディープシーク
中国名は「深度求索」。本社は浙江省杭州市。短期間かつ低コストで米オープンAIの開発した最新モデルに匹敵する生成AI(人工知能)を完成させ、世界に衝撃を与えた。
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