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ブティジェッジは米史上最もデータを駆使する「天才政治家」
筆者は1年以上前から、次の大統領はブティジェッジだと公言していた JONATHAN ERNSTーREUTERS
<米大統領選の民主党予備選で、38歳のピート・ブティジェッジが大躍進。初戦のアイオワ州で勝利、次のニューハンプシャー州で僅差で2位に躍り出たブティジェッジは、なぜ勝つことができたのか。ブティジェッジの友人であるサム・ポトリッキオ教授が明かす、「ピート大躍進の秘訣」>
アイオワ州党員集会が行われた翌朝、滞在先の東ヨーロッパで目覚めると、大量の電子メールが届いていた。メールを送ってきた人たちは私を「政治の賢者」「予言者」などと呼び、中にはどの会社の株を買えばいいか教えてくれという人までいた。
11月の米大統領選に向けた民主党候補者指名レースの初戦である2月3日のアイオワ州党員集会では、ピート・ブティジェッジが首位になった(集計の混乱により再集計が行われる可能性があるが)。これは大方の予想を覆す結果だったが、私は1年以上前から、次の大統領はブティジェッジだと公言していたのだ。
といっても、ブティジェッジはまだ40歳にもなっておらず、インディアナ州サウスベンドという人口10万人余りの小さな都市の市長にすぎなかった。そんな人物が次期大統領の有力候補だと主張しても、最初は笑われただけだった。
当時は世論調査でもほとんど名前が挙がらず、支持率が1%に達していた州は一つもなかった。その時点で、どうして躍進を予測できたのか。株式投資になぞらえて言えば、私はインサイダー情報を持っていたのだ。
8年以上前、私はあるシンポジウムに出席したとき、サウスベンド市長に就任したばかりのピートと知り合った。紹介してくれたリチャード・ルーガー上院議員(当時)いわく、途轍もない才能の持ち主だとのことだった。
実際、パネルディスカッションで市政について語るのを見て、私は確信した。これほど才能豊かな政治家には今まで会ったことがない、と。それ以来、私は彼と連絡を取り合い、大学で担当しているリーダーシッププログラムに講師として招こうとしてきた。リーダーを目指す学生たちにとって絶好のお手本になると思ったからだ。
6年前には、私が司会を務めたパネルディスカッションに登壇したことがある。このとき、今回のアイオワ州党員集会で番狂わせを起こせた要因が既に見て取れた。コンサルティング大手のマッキンゼーで働いた経験を持つピートは、アメリカ政治史上で誰よりもデータの使い方に精通した政治家と言っても過言でない。
データを活用して問題を解決することが楽しくて仕方ないらしい。6年前のパネルディスカッションでも、データを駆使して救急車の到着時間を早めたり、下水道の効率性を高めたりする話をしているときは文字どおり目が輝いていた。
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