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「We are so sorry for the inconvenience」日本のホテルで見つけた妙な英語
DragonImages-iStock.
<訪日外国人との接点が多いホテルで、残念ながら英語の間違いが多く見られる。どこが不自然なのか、どう変更すれば誤解がないのか、ネイティブチェックします>
日本を訪問する外国人や、日本に住む外国人が増えている中、その対応として看板からメニューまで、さまざまなものに英語が取り入れられています。それは外国人である私にとってとても有難いことですが、残念ながら時々とても変な英語で書かれているものがあります。
グーグル翻訳などの機械翻訳に日本語を入力して出てきた英語をそのまま利用しているように見える一節もあり、その中で、日本人が犯しがちな英語の間違いを見つけることもあります。
私が日本で行動しなから気づいた「妙な英語」を写真に撮って、ツイッターで紹介するとフォロワーの皆様からよい反応を頂いたため、この連載では詳しい解説を加え、より多くの方々に英語に関する新たな気づきを提供していきたいと思っています。
日常にある身近なものを取り上げるので、英語への理解向上にきっと役立つはず。皆様にとって参考になれば嬉しく思います。
please refrain from(遠慮してください)は古臭い言い方
ホテルは訪日外国人との接触の原点だと言えます。そのため、ホテルが宿泊客に情報を伝える際、アナウンスなどはすべて日本語と英語を始めとする外国語で行われる必要があります。
なかには、外国人が知らないかもしれない日本の習慣の説明が求められる時もあるでしょう。そして残念ながら、そういう場合に英語の間違いが見られることが少なくありません。
Morning serviceとgownはあまり頻繁に使われていない言葉なので、これは通じないと思います。Please do not wear your robe to breakfast.の方が望ましいと思います。 pic.twitter.com/IItXDyXf2d
— ロッシェル・カップ (@JICRochelle) May 22, 2019
●部屋着での朝食会場はご利用できません。あらかじめご了承くださいませ。Please refrain from having the morning service with gown. Thank you for your cooperation.
これは私が北九州のビジネスホテルに泊まったとき、エレベーターで見つけた「妙な英語」の一例です。ここには複数の問題がありますので、それを1つずつ分析していきましょう。
まず、please refrain fromは正しい英語であり、「遠慮してください」の意味を正確に伝えるものではあるのですが、ややフォーマルで古臭い言い方なので、すぐにはピンと来ないネイティブがいるかもしれません。また、英語を母国語にしない人が知らない表現である可能性もあります。
文章としては適切かもしれませんが、このような場合、より直接的なplease do notのほうが分かりやすいと思います。
さらに、日本語の中に使われているカタカナ英語をそのまま英語にしてしまう、というよくある間違いもこの張り紙では見られます。
日本のホテルや飲食店では朝の時間帯に朝食のセットメニューやバイキングをよく提供していて、それを「モーニングサービス」などと呼ぶようですが、それをそのままmorning serviceとしても、外国人には通じません。和製英語であり、英語にはない言い方だからです。教会のmorning services(朝の礼拝)と捉えることもできるので、混乱を招く危険性もあります。
また、gownは確かに辞書に「ガウン、室内着」などの意味で載っていますが、これは古い言い方で、今は一般的にそのような使われ方をしません。現在最も頻繁に見られるgownの意味は「床までの長さの婦人用ドレス」で、例えばbridal gown(花嫁のドレス)や evening gown(女性正礼装ドレス)などを指します。
ホテルの部屋にある室内着は通常、(このホテルにあったように)パンツがない長いタイプなので、robeと呼ばれます。
そこで、Please do not wear your robe to breakfast.としたほうが望ましいでしょう。
どこであれば室内着を着て行っていいのかを判断するのは難しく、外国人が混乱するのは驚くべきことではないでしょう。なぜなら温泉旅館では、浴衣姿で一日過ごしたり食事へ行ったりする人が多いからです。
実は、この張り紙のあったホテルにも大浴場があり、温泉旅館と同じように室内着を公のスペースに着て行ってもいいと誤解する外国人もいたかもしれません。
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