- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 大谷翔平選手が審判団と「妥協」すべきでない理由
大谷翔平選手が審判団と「妥協」すべきでない理由
ただ、プライドの高い審判団は、自動判定だけでなく、ストライク・ボールの判定については、「レビュー」の申し立ても拒否しており、現在はこう着状態です。その一方で、野球人気が下降ぎみの中で、時代の圧力としては「もっと正確な判定」をしないと「やがて判定は機械化されてしまうぞ」という雰囲気は確かにあります。
そんな中で、大谷選手が特に誤審の被害に遭っているのには、これは全くの私の私見ですが、審判団の中で「オオタニはやりにくい」という一種の申し送りがあるのではないでしょうか。
と言うのは、大谷選手は「自分のストライクゾーン」を持っていて、それを態度に表しているからです。現在のアメリカの審判の多くは、そのような態度を嫌います。例えば、大谷選手が投手の場合に明らかなストライクをボール判定されると、同じところに投げて確認するということをします。
そうすると、審判は気分を害してストライクゾーンをより厳しく見るようになるのですが、それでも大谷選手は妥協はせず、判定がおかしければ「首をひねる」など「退場にならない範囲」で不満を態度で表しています。打者の場合もそうです。そのくせ「極めて礼儀正しい」のですから、審判としては「やりにくい」のは間違いありません。
「二刀流」故のこだわり
大谷選手は「正義感」から審判団に対抗しているのかというと、それは違うと思います。では、日本の客観的なゾーンに慣れているので、アメリカの「主観的な判定」に違和感を感じているのでしょうか? それは多少あると思います。
ですが、それ以上に大谷選手が「絶対的なストライクゾーン」にこだわるのは、他でもない「二刀流」だからだと思います。投手として先発しながら、打者としても打席に立つということは、審判にストライクゾーンを広げられたら打者としては困るし、反対に狭くされたら投手としては困るということになります。つまり「二刀流」の選手からすると、審判には「もっとしっかりして」ルールブックにある通りの、そして最新の機械判定の結果に負けない精度での判定を期待するしかないわけです。
つまり、大谷選手は、個人的な感情というよりも「二刀流」の立場から、審判により客観的な判定を求めている、そう理解することができます。仮にそうであるのなら、その態度は、MLBの他の選手たちの利益にもなるし、野球人気を維持するための適切な改革を促すものになると思います。そう考えると「妥協」の必要はないと思います。
<お知らせ>
コラム筆者の冷泉彰彦氏が日本時間9月10日21時からトークライブを開催します(テーマ:911の20周年と、政局の最新状況を語りつくす)。詳細はリンク先の情報をご覧ください。
「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由 2025.01.29
驚きの大統領就任演説、インフレ退治を約束したトランプ 2025.01.22
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
経験1年必須/ITコンサル/SE/Sierからコンサルタントへ/外資系プロジェクト有/残業少
株式会社ノースサンド
- 東京都
- 年収500万円~1,600万円
- 正社員
-
経験者優遇!Recruitment Consultant「外資系製薬・メディカルデバイス領域専任」
株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント
- 東京都
- 年収550万円~1,500万円
- 正社員
-
「外資系クライアント支払コーディネーター」英語力を活かす!“サポートする”やりがい+働きやすい職場環境
RSM汐留パートナーズ株式会社
- 東京都
- 年収350万円~500万円
- 正社員