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トランプ政権はキューバと再び断交するのか?
対応に苦慮したクリントン政権は、ジャネット・リノ司法長官(当時)が陣頭指揮に当たりました。リノ長官は、フロリダ側で「永住亡命」を主張する「アメリカの親戚」と、「奪還」を主張する「キューバの家族」の間に入って、国際法、国内法、国内世論、対キューバ政策を考えての複雑な判断を迫られたのです。
当時のアメリカの世論、特にフロリダの世論は、このゴンザレス少年の処遇についてまっぷたつに割れました。そして、その対立軸は、単純ではありませんでした。
まず民主党系あるいはリベラルの側には、「自由と人権の擁護、移民受け入れ拡大」という考え方から「永住亡命賛成」という意見がある反面、「キューバとの関係改善」のためにキューバの主権を認めて「送還せよ」という考え方もあったのです。
一方の共和党系あるいは保守の側には「反共の大義に基づいてキューバとは徹底対決」という考え方から「永住亡命賛成」という立場があり、その反対に「移民受け入れ反対」という考え方からの「送還」論もありました。
【参考記事】オバマの歴史的キューバ訪問で、グアンタナモはどうなる?
つまり、この問題に対しては、キューバ系移民を中心としたフロリダの世論には、4つの「イデオロギー」的なリアクションがあったわけです。更に、永住亡命にしても送還にしても「かわいそうなゴンザレス少年」を何とかしたいという感情論がその上に乗っかる形で、世論は迷走しました。
この99年の事件ですが、最終的には、リノ司法長官(当時)がキューバから少年の父親を呼び寄せ、その父子の様子をテレビで放映し、アメリカの世論を安心させて、最終的に父子をキューバに送り届けてドラマの幕引きを行いました。
それから17年の年月が流れ、民主党のオバマ大統領がキューバとの国交回復に漕ぎ着けたのには、この「ゴンザレス少年事件」への対応によって、カストロ政権がアメリカの民主党に対して信頼感を持ったのが遠因の一つという解説もあります。
では、この2016年の現時点でトランプ次期大統領は、いったい何に基づいて「カストロの死に対して断交を匂わすような辛口発言」を行っているのでしょう?
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