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動き出したトランプ次期政権、「融和」か「独自色」か?
そんな中、週明けの14日(月)の午後、オバマ大統領が記者会見をして、「トランプ次期大統領との引き継ぎ打ち合わせの様子」について、自分の言葉で語りました。その中で、オバマは「トランプ氏はイデオローグではなく、現実主義者」と一定の評価をしていました。
同時にオバマ大統領は、会談の中でトランプ氏が「自分に対して、NATOにはしっかり関与すると明言した」として、「私はその旨を欧州の各首脳に伝える」と言明しています。オバマ大統領としても、必死になって「融和」を既成事実にしようとしているのだと思います。
一方で「独自色」としては、「妊娠中絶の合憲判断」を覆す方向に改めて賛成を表明するといった右派的なトーン、さらにロシアのプーチン大統領と早速電話会談(内容は不明)するなどの動きも見せています。
【参考記事】トランプ政権を生き残るアメリカ民主主義の安全装置
また、気になる政権人事が動き始めています。ここでも「融和」か「独自色」か、という2つの要素が交錯していると言っていいでしょう。まず「融和」としては、保守系の優秀なブレーンをどう使いこなすかです。すでにワシントンでは多くの「共和党主流派系」人材が次期政権への売り込みを開始しているわけですが、そこからしっかり一流を見抜いて抜擢できるかどうかが鍵になると思います。
その意味で、政権移行委員会のトップに据えていたクリス・クリスティ知事(ニュージャージー州)を更迭して、マイク・ペンス次期副大統領を任命したのは一種の「融和」と見ていいでしょうし、共和党全国委員長として選挙戦の際に、陣営と共和党の主流派の間を取り持ったラインス・プリーバス氏をホワイトハウスの首席補佐官にするというのも、その流れになると考えられます。
一方で独自色ということでは、14日に明るみになったスティーブン・バノン氏をホワイトハウスの首席戦略担当にという人事は、メディアから一斉にバッシングを受けています。バノン氏は「ブライトバイト」という「オルタナ右翼」サイトの主宰者で、選挙戦後半の選対委員長を努めた功労者です。ですが、KKKといった「白人至上主義」の団体からも支持される筋金入りの「オルタナ右翼」だということで、ホワイトハウス入りには激しい抵抗感を持つ人が少なくありません。
ここまで反対が大きいと、この人事は潰れて、バノン氏は他の論功行賞的なポストに横滑りするという可能性もあります。しかしそこはトランプ氏ですから、もしかしたらこの人事だけはゴリ押しするかもしれません。
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