プレスリリース

東京工芸大学 映像学科卒業生 蔦哲一朗監督の『黒の牛』が香港国際映画祭で日本映画史上初となる最高賞受賞

2025年04月30日(水)12時00分
東京工芸大学(学長:吉野弘章、所在地:東京都中野区、以下 本学)芸術学部映像学科卒業生の蔦哲一朗監督の映画『黒の牛』(以下、本作)が、第49回香港国際映画祭で最高賞のFirebird Awardを受賞しました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/434781/LL_img_434781_1.jpg
映画「黒の牛」の一場面

2025年4月10日(木)から4月21日(月)に行われた第49回香港国際映画祭で、本学芸術学部映像学科卒業生蔦哲一朗監督の映画『黒の牛』が、ヤングシネマコンペティション部門で日本映画史上初となる最高賞のFirebird Awardを受賞しました。

本作は、禅に伝わる悟りまでの道程を十枚の牛の絵で表した「十牛図」から着想を得て描かれた映画作品で、長編劇映画では日本初となる70ミリフィルムを一部使用して撮影が行われています。また、本作の音楽には生前参加を表明していた作曲家坂本龍一氏の楽曲が使用されています。

香港国際映画祭は1977年にスタートしたアジアで歴史のある国際映画祭です。世界各国の新作劇映画、ドキュメンタリー、アニメーションからクラシック作品、更に香港の学生映画に至るまで、50の国と地域から約200作品の映画が上映されています。映画祭には、フィクション部門、ドキュメンタリー部門、コンペティション部門の3部門があり、Firebird Awardはコンペティション部門で最も優れた作品に贈られる最高賞です。

本作について審査員からは「独自の哲学的・美的視点と鋭い歴史的洞察、そして鮮やかな自然描写を融合させた、予想を覆す独創的な映像世界。普遍的かつ超越的な瞑想体験」と評されています。

蔦監督は、「学生時代に培ったフィルムでの映画制作の経験が今回の受賞に繋がったと思っております。デジタル主流の映画業界ではありますが、映像の基本は今も昔もフィルムであり、これからもそれは変わることはないです。温故知新。フィルム愛がいっぱい詰まった本作をどうか劇場でご覧ください。」と語ります。

本作の今後の上映予定は、2025年4月26日(土)から 5月1日(木)にベルギーのMooov映画祭、2025年4月30日(水)から5月9日(金)に韓国の全州国際映画祭、2026年1月に日本全国での劇場公開を予定しています。


■蔦哲一朗
徳島県三好市出身。東京工芸大学芸術学部映像学科2007年卒業。卒業後は、高田馬場にある早稲田松竹映画劇場でアルバイトをしながら自主制作に励む。2009年、ぴあフィルムフェスティバルで『夢の島』が入選し、観客賞を受賞。2013年、第26回東京国際映画祭で『祖谷物語 おくのひと』がスペシャル・メンションを授与される。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/434781/LL_img_434781_2.jpg
蔦哲一朗監督

■香港国際映画祭
【URL】: https://www.hkiff.org.hk/


■『黒の牛』作品概要
(あらすじ)
今は昔、急速に変わりゆく時代のなかで、自然との繋がりを見失った狩猟民の男は自分の分身とも言える牛と出会う。男は農民となって牛とともに大地を耕しながら、木、水、風、霧、土、火、万物とのつらなりをただ静かに視つめ、刻み、還る――主演はツァイ・ミンリャン監督作品で知られるリー・カンション、田中泯が禅僧を演じ、生前参加を表明していた坂本龍一の楽曲が使用されている。禅に伝わる悟りまでの道程を十枚の牛の絵で表した「十牛図」から着想を得た作品。

・監督・脚本・編集:蔦哲一朗
・出演:リー・カンション、ふくよ(牛)、田中泯、須森隆文、ケイタケイ
・音楽:坂本龍一
・配給:ALFAZBET、ニコニコフィルム、ムーリンプロダクション


■東京工芸大学
本学は1923年に創設された「小西寫眞(写真)専門学校」を前身とし、創立当初からテクノロジーとアートを融合した教育を行い2023年に創立100周年を迎えました。
神奈川県厚木市に工学部工学科(情報コース、機械コース、電気電子コース、建築コース)。東京都中野区に芸術学部(写真学科、映像学科、デザイン学科、インタラクティブメディア学科、アニメーション学科、マンガ学科、ゲーム学科)の2学部を有します。

【URL】 https://www.t-kougei.ac.jp/


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プレスリリース提供元:@Press
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