プレスリリース

WEF技術開発、高速分解・殺菌可能な活性酸素触媒水処理法を開発

2025年03月24日(月)09時30分
大気中で、低コストで、大量の活性酸素を発生させる世界随一の技術を持つWEF技術開発株式会社(所在地:滋賀県大津市、代表取締役:青山 章)は、今後顕著化する世界水不足に備えて、「排水を資源として」取組むのに課題となっていた高速有機物分解、殺菌技術の開発に成功しました。


■今、水処理に求められているもの
100年余り前に英国で開発された排水処理の標準活性汚泥法は、特別な菌を必要とすることなく空気を供給することで簡単に菌が汚染物質を分解してくれることから、瞬く間に世界に広がり、現在もなお排水処理の主流となっています。
しかし、近年最も困難な問題の一つは、排水中に含まれる難分解性化合物の存在です。従来の活性汚泥法は、通常、廃水中に存在する汚染物質の分解には効果的ですが、難分解性化合物のほとんどは除去されていません。生産工場では化学物質を多く含む排水が増え、農業排水や一般廃水でも医薬品、内分泌かく乱物質、パーソナルケア製品、殺虫剤など難分解性化合物は増え続け、飲料水を取水している湖や河川ではCOD数値が上がり続けていることからも確認できます。これらはほぼ発がん物質で、腎臓、肝臓、循環器系、神経系、生殖系にも障害が出る可能性があります。
先進国の持続可能な都市には、高い衛生基準を維持し、人々を潜在的な病気から守るために、清潔で安全な水が必要ですし、開発途上国では病原菌で汚染された表層水を瞬時に殺菌できる技術が求められています。
これらの難分解性化合物を処理できるのは活性酸素種(特にヒドロキシラジカル)しかないといわれ、オゾンや紫外線を利用したAOP(Advanced Oxidation Process)処理法が開発されていますが、AOPsは高コストの割にヒドロキシラジカル発生量が少ないため、未だ広まっていません。


■活性酸素水処理とは
活性酸素発生装置「AOS」は空気中酸素から瞬時に活性酸素種「スーパーオキシドアニオン」を生成します。水中有機物分解に関しては、スーパーオキシドアニオンだけではヒドロキシラジカル生成量が少なく、有機物分解効率が低いため、下記のようにオゾンを少し混合して、多量のヒドロキシラジカルを水中で生成させて効果的な有機物分解処理をしています。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/430579/LL_img_430579_8.png
活性酸素生成反応式
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/430579/LL_img_430579_2.png
W-Gaia処理システム

具体的なプロセスは、発生装置「W-Gaia」で生成されたオゾニドイオンをマイクロバブルで処理槽に供給し接触効率を高め、汚染物質接触でOHラジカルに変化させて分解します。

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/430579/LL_img_430579_1.png
水中有機物分解

この活性酸素水処理システムでは、水中有機物分解がオゾンの2~3倍ほど早く処理可能です。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/430579/LL_img_430579_3.png
染料処理により処理時間比較

染料ローダミンの分解速度で処理効果を比較(テーブルテストの様子)


■世界は驚異的な水処理技術を求めている
前述いたしましたように、工場排水だけでなく河川水でも難分解性化合物は増えていて、含まれる物質の種類も幅広く、濃度も高いため、非常に厄介な課題となっています。更には最近問題となっているのが、抗生物質耐性菌(ARB)や抗生物質耐性遺伝子(ARG)の出現で、ヒトや動物の健康への影響について警鐘が鳴り響いています。
このように我々現代人は持続可能性と叫びながら、やっていることは持続不可能になることをやっているわけで、この状況を解決するには、水の場合なら短時間で難分解を易分解(微生物が食べられるようになる)にする、瞬時に殺菌できる処理技術が必要になるわけです。


■現在の水処理課題を解決する世界随一の技術「活性酸素触媒処理」を開発
水処理を取巻く難問題を解決のため、すでに開発した活性酸素処理のブラッシュアップに取組んできましたが、このほど特殊な触媒を利用することで、処理効果が10倍以上になることを確認いたしました。また、安定的に水処理利用する方法も検討し実証しました。
AOPsをはじめ当社の活性酸素処理も、水中に浮遊する汚染物質に、これもまた浮遊する活性酸素バブルを接触させ分解しています。お互いが浮遊していますので、接触効率は良くありません。
一般的にゼオライトは水中汚染物質を良く吸着することが知られています。汚染物質をゼオライトに吸着させ、吸着した汚染物質の塊に活性酸素を接触させれば、一気に多量の処理が出来ることになります。問題は、ゼオライトはほとんど活性酸素を吸着しません。吸着させるには吸着しやすい物質を入れた合成ゼオライトが必要になります。

画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/430579/LL_img_430579_4.png
触媒利用説明

発売されている合成ゼオライトの中から活性酸素を最も吸着するゼオライトを探しました。

画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/430579/LL_img_430579_5.png
通常処理と比較

活性酸素吸着に優れたゼオライトを入れて処理したところ、通常の10倍のスピードで処理出来ました。
しかし、このゼオライトは粉末しかありませんでしたので、水処理で使用できるよう自社で成形したり、成形品を探したりしました。その結果ビーズ状活性酸素吸着ゼオライトを見つけ、安定処理が出来るようカラム循環処理することにしました。

画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/430579/LL_img_430579_6.png
触媒のカラム循環処理

また、ローダミン減少がゼオライト吸着で無いことを証明するために7回連続処理しました。

画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/430579/LL_img_430579_7.png
連続処理確認

結果、活性酸素触媒処理は、活性酸素標準処理の10倍、オゾン処理と比較すると20倍近くのスピードで処理出来ることが確認されました。


■活性酸素触媒処理が出来ること
・工場排水中の高濃度・難分解性化合物を易分解化する→産業廃棄物排水の削減
・工場排水のランニングコスト削減
・下水処理場の前処理による後段設備(特に活性汚泥処理設備)の縮小→発生余剰汚泥の削減
放流前で難分解性化合物の分解処理→安全な水の放流、排水の資源化リサイクル利用
・浄水場では取水源水中に含まれている可能性のある新興汚染物質(CECs)等の処理が可能
どの水処理施設にも共通するのは、使用エネルギーの削減、発生汚泥の削減、再利用の可能性等になります。


■会社概要
商号 : WEF技術開発株式会社
代表者 : 代表取締役 青山 章
所在地 : 滋賀県大津市堂1-19-15
設立 : 2016年7月
事業内容: 水処理、廃棄物リサイクル、Mg関連技術開発、販売
URL : https://aoyama-wefit.com
https://mgworld.aoyama-wefit.com/ (マグネシウムワールド)


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プレスリリース提供元:@Press
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