- HOME
- コラム
- パックンのちょっとマジメな話
- トランプがバイデンに与えてしまった「必殺技」...…
トランプがバイデンに与えてしまった「必殺技」...最高裁判決で無限の権力を手中に?
最高裁判決で免責を受けたことで、反対意見書で危惧されていたシナリオを実現させたという荒唐無稽な主張だ。もちろん僕はそんなことは信じない。そもそもバイデンのシナリオライターはソトマイヨールではなく、僕だからね。
とにかく、えぐすぎるから暗殺は忘れよう。暴力以外にも「公的な行為」としてできることは沢山ある。
例えば、大統領は行政府の長なので、財務省を通じて政府の予算を使うのも仕事だ。トランプ当選を防ぐため、与党民主党のカマラ・ハリス陣営にお金を大量に回すこともできるはず。選挙CMを大量に制作して放送できる!税金で!
そういえば、放送・通信を管轄する米連邦通信委員会(FCC)も行政府に属する機関だ。公共の電波はバイデンの手中にある。
トランプのCMを流さないようにすることも、保守派大手のFOXニュースの放送認可を取り消すことも可能だ。トランプ派のスローガン「MAGA」を放送禁止用語に設定できる!そうなれば逆に反抗期の若者は口に出したくなるだろうけど。
不正な捜査も免責?
なんだったら、司法省も大統領の管轄。トランプもその側近も、邪魔してくるヤツを逮捕させることもできる!やろうと思えば、トランプ支持者を全員捕まえて、国外に追放することができる。不法移民全員をそうすると、トランプ本人が公約しているぐらい、国外追放はれっきとした「公的行為」だ。
ここで、このコラムを読んでいるバイデンは「ドワハハハハ!」と、高笑いし始めていることだろう。映画『アラジン』の最後に、悪党のジャファーが無限の力を手に入れ、巨人化していくシーンを思い出してください。あんな感じだ。
もちろん、上記のような権力乱用は法律違反であって、憲法違反でもある。公的な行為でも、権限を不正な目的で利用した場合、横領、背任、人権侵害などの犯罪に当たり、犯人は取り締まられてしかるべきだ。本来は。
だが最高裁の判決によると、その犯人が大統領である場合「目的」も審査することができない!
判決文の中で「たとえ捜査がでっち上げであったり、不正な目的で行われたりしたとしても、それは司法省の捜査や起訴機能に対する大統領の独占的権限を奪うものではない」と指摘。大統領が行政府をどう利用しても「絶対的な免責」があると、はっきりと結論付けている。
どんな悪業でも「公的な行為」であれば罪に問われないのだ。しかも、トランプを止めるのはむしろ善行でしょう、バイデンさん?
おそらくいくつかの疑問が浮かんでいることでしょう。それにも答えておこう。
トランプを再び米大統領にするのは選挙戦を撤退したはずのケネディ? 2024.09.19
トランプがバイデンに与えてしまった「必殺技」...最高裁判決で無限の権力を手中に? 2024.08.06
討論会惨敗の米民主党がここから「仮病」で大統領選に勝つ方法 2024.07.01
謎のステルス増税「森林税」がやっぱり道理に合わない理由 2024.06.11
新生活の門出にパックンが贈る「ビーカーの尿、バイアグラ、厚切りジェイソン」の教訓 2024.04.04
日本で「外国人を見た目で判断する」ことの弊害が噴出中 2024.03.16