コラム
私的映画論 森達也
私的映画論 森達也

狂気を描く映画『清作の妻』は日本版『タクシードライバー』

<誰にも予想できない行為に及んだお兼、彼女を捕らえて集団リンチする村人たち、取りつかれたように鐘を鳴らし続ける清作──映画のテーマを一言にす

2022.07.07
私的映画論 森達也

年老いた母を撮って内省、『スープとイデオロギー』で監督ヤン ヨンヒが願うのは

<韓国ではなく北朝鮮を選んだ両親、「帰国」した兄たち、父と母の半生に批判的になる自分──ヤン ヨンヒの『スープとイデオロギー』は極めて内省的

2022.06.23
私的映画論 森達也

映画『橋のない川』で描かれるこの国の部落差別は過去形になっていない

<民族は同じ。言語も宗教も同じ。なのに差別は続いている──海外の学者やジャーナリストは、日本の部落差別についてどうしても分からないと首をかし

2022.06.09
私的映画論 森達也

ドキュメンタリー映画『教育と愛国』が記録した政治の露骨な教育介入

<歴史の記述をきっかけに倒産に追い込まれた教科書出版社の元編集者や保守派に支持される教科書の執筆者へのインタビュー、加害の歴史を教える教師や

2022.05.25
私的映画論 森達也

日常を「体験」する映画『わたし達はおとな』に釘付けになる理由

<決して大きな話ではない。それでも目を離せないのは、俳優たちの演技がリアルすぎるから。演劇出身の監督・加藤拓也は現場でどう演出したのか。どん

2022.05.12
私的映画論 森達也

反体制を美化せず 全共闘世代が発見した映画『真田風雲録』の価値

<「無駄な抵抗はやめなさい」と呼び掛ける徳川方の武将は60年安保における機動隊であり、作戦会議で「異議なし!」と声を上げる豊臣方は安保反対を

2022.04.26
私的映画論 森達也

『突入せよ!「あさま山荘」事件』を見て激怒、若松孝二が作った加害側の物語『実録・連合赤軍』

<凄惨な事件が起きたとき、加害側の視点が置き去りにされることで被害者意識が疑似の主語となる。加害者のモンスター化が進む。「冷血で残虐」が既成

2022.04.14
私的映画論 森達也

クズは人の基本型? 姑息で卑小な人間を『競輪上人行状記』は否定しない

<ひとことで言えば「重喜劇」──高潔なのに卑小、賢いのにバカな主人公は人生にもがきながらどんどん堕(お)ちる。それだけでなく登場人物のほとん

2022.03.25
私的映画論 森達也

和田アキ子主演、低予算でご都合主義なのに『裸足のブルージン』はなぜ面白かったのか?

<理由はよく分からない。藤田敏八監督の作品なら、『赤い鳥逃げた?』か『八月の濡れた砂』を取り上げるべきかもしれない。だから、もう一度観て確か

2022.03.09
私的映画論 森達也

36年ぶりに『台風クラブ』を観て、変化した自分と映画の本質を思い知る

<台風が暗喩する非日常は、10代半ばの少年少女にとって日常だ。日常が非日常を覆い隠す直前の数日を映画は鮮やかに描く> 長谷川和彦監督の伝説的

2022.03.03
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