アメリカでヒットした『サウンド・オブ・フリーダム』にはQアノン的な品性が滲む
視聴後に、本作のモデルとなったティム・バラードがトランプ政権時代に国務省の人身売買諮問委員会の共同議長に任命されたこと、彼が主張する国際性犯罪の市場規模1500億ドルの根拠は不明であること、そのティムを演じたジム・カビーゼルとアレハンドロ・モンテベルデ監督が、陰謀論を拡散するQアノンに親和性を示していることなどを知った。
大ヒットにもからくりがあって、Qアノンや宗教右派の組織票らしい。
もちろん、映画の評価と監督や俳優の品性を同列に論じるつもりはない。実際に映画にはQアノン的な視点はない。でもやはり滲む。トランプ支持者やQアノンコミュニティーの人たちの品性を見下すつもりは全くないが(誰を支持しようが自由だ)、少なくとも僕には、その思考回路が理解できない人たちだ。
『サウンド・オブ・フリーダム』
©2023 SOUND OF FREEDOM MOVIE LLC ALL RIGHTS RESERVED
監督/アレハンドロ・モンテベルデ
出演/ジム・カビーゼル、ミラ・ソルビーノ、ビル・キャンプ
(9月27日、日本公開)
<本誌2024年9月3日号掲載>

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