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日本が危ない!? 福島原発の放射能フェイクニュースが拡散中
1月30日に東京電力が公表した福島第2原発原子炉格納容器内の映像 TEPCO/Handout via REUTERS
<「日本に行くのは命を捨てるのも同然」「核燃料は流出していた! 即死レベルの放射線」などと、中国を中心に原子炉格納容器内の放射線量についての発表が誤って伝わっている。日本政府はなぜ対応を取らないのか>
こんにちは、新宿歌舞伎町の李小牧です。外国人による日本旅行が絶好調だが、いま大変な危機が迫っていることをご紹介したい。日本政府が速やかに対策を取らなければ日本経済にとって大きな打撃となりかねない。
日本政府観光局は2月15日、今年1月期の訪日外国人客数(推計値)を発表した。前年同月比24%増の229万5700人で、単月では過去2番目の高水準を記録した。原動力となったのが中国人観光客だ。今年は1月28日が旧正月。ちょっと早めに休みをとって日本を訪れた人も多かったのだろう。前年同月比32.7%増の63万600人が日本旅行を楽しんだ。
ここで話が終われば万々歳なのだが、いま大変な事態が起きている。私は中国ではちょっとした有名人で、街を歩けば声をかけられたり盗撮されることもしばしば。SNSでも毎日まったく知らない人から山のように連絡が入ってくる。「今晩、李さんのレストランに行くけどいますか?」という話から「こんな儲け話があるんですが、一緒にどうですか?」という怪しいものまでさまざまなのだが、最近こんなメッセージが増えている。
「日本は放射能汚染が深刻だと聞きます。日本旅行をキャンセルしたほうがいいでしょうか?」「日本旅行を考えていたんですが、放射能が怖いです」「李さん、ニュースを見ましたか。早く日本から脱出してください」
まるで東日本大震災の直後に戻ったかのようだ。いったい何が起きているのだろうか?
外交部までが騒ぎを拡散、英語圏からも問い合わせが
きっかけは2月2日の東京電力の発表だ。福島第一原発2号機の原子炉格納容器内の放射線量が推定で毎時530シーボルトというきわめて高い水準にあると発表した。新たな事故が起きたわけではなくたんなる現状報告だったはずだが、中国のウェブメディアは強烈な煽り記事、いや「フェイクニュース」を垂れ流している。
「緊急通達! CCTVも報道、日本に行くのは命を捨てるのも同然」
「秒速で死亡! 福島の放射能が突如大逆流」
「特大突発ニュース:核燃料は流出していた! 即死レベルの放射線」
「日本福島原発の放射線量が"爆表"! 数十秒浴びれば人間は死亡」
(*「爆表」は中国のネットスラング。アニメ『ドラゴンボール』に出てくる戦闘能力を計測する機械「スカウター」はあまりにも高い数値を検出した時に爆発してしまう。このことからPM2.5などの汚染物質が基準値をはるかに超えた数字を示した場合に「爆表」〔スカウター爆発〕との表現が使われるようになった)
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