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ステイホームの今こそ、家族と「#うちで話そう」──久保田智子とお母さんの対話
母はそれまで自分について語ることがなかった、と書いたが、母について私から聞くことがなかったのだと思う。家族ほど長く一緒にいる人はいないが、私たちは分かったつもりになっているだけで、家族のことを本当には知らないまま過ごしていないだろうか。
「家族のことで傷ついたことがない人なんて、この世にはひとりもいない」とは、よしもとばななの「おかあさーん!」(『デッドエンドの思い出』に収録の短編)の中に出てきたセリフだ。時にじっくり相手の言い分に耳を傾けてみると、家族同士もっと楽に付き合えるように思う。
くしくもステイホームで機会は十分ある。私はギターも弾けないし歌も歌えないが、うちで話そう、と実感を込めて呼び掛けたい。
<2020年5月19日号掲載>
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