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「右肩下がり」岸田政権の命運を左右する分岐点
実は底を打った? 岸田政権の支持率
この1月に行われた報道各社の世論調査結果は、次の通りだ(共同通信と日経・テレビ東京は現時点で未発表)。
読売新聞・日本テレビ「39%」(先月と同じ。1/13-15実施)
産経新聞・FNN「37.7%」(0.7ポイント増加。1/21-22実施)
朝日新聞「35%」(4ポイント増加。1/21-22実施)
NHK「33%」(先月から3ポイント減少。1/7-9実施)
テレビ朝日「28.1%」(3.0ポイント減少。1/21-22実施)
毎日新聞「27%」(2ポイント増加。1/21-22実施)
時事通信「26.5%」(2.7ポイント減少。1/13-16実施)
これを見ると、対面方式で実施される時事通信社の結果が26.5%で最も低く、他に毎日新聞、テレビ朝日も3割を切る数値になっている。政権発足以来の「最低記録を更新」する結果となっており、岸田政権が依然として危機に瀕していることを物語っているようにも思える。
他方で、12月の調査結果と比較して見ると、読売新聞・日本テレビは「横ばい」、産経新聞・FNNに加えて、自公政権に厳しい調査結果が出やすいとされる朝日新聞と毎日新聞でも逆に、支持率が増加している。これはどういうことか。
一つには、岸田政権には一定の支持層があり、どんなに批判が集まっても「3割前後」の支持率は割れないという意味で「底打ち」に達した、つまり「下げ止まった」と見ることもできよう。
しかし、岸田首相には、戦後レジームの総決算を唱える安倍元首相を熱狂的に支持した岩盤支持層的なものはもともと存在するとは言い難い。むしろ自公各党の支持層を中心に、訪米・欧州歴訪で見せた「外交の岸田」や、年明けから最重要政策として前面に出てきた「異次元」改め「次元の異なる少子化対策」を「好感」した層が「増加」したと見ることもできよう。
その場合、岸田政権の支持率は今後、個別的な政策の打ち出し次第で更に上向いていく可能性がある。まずは、新型コロナウイルスの扱いだ。政府は5月の大型連休明けにも、新型コロナウイルスの感染法上の位置づけを「2類」から、季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げる方針だ。コロナ禍が収束したとは言えないとしても、かねてより新型コロナウイルスを「2類」に指定し続けることの弊害は指摘されてきた。ようやく「正常化」すると見る向きも多く、外国人観光客によるインバウンド需要の爆発とあいまって、政権支持率が上向く好材料となろう。
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